■□■□ 2018年6月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE Info―1419号 6月9日
榎忠展 [MADE IN KOBE] 日日日日のこと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 蝙蝠日記 史上最大の作戦 いよいよ開戦
2 展覧会案内 榎忠展 [MADE IN KOBE] について
3 今日の言葉
それに接する私たちの態度は、楽しみながら、戦くことである。
4 ギャラリー島田 スタッフを募集します
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
==================================
1 蝙蝠日記 榎忠 この男 危険につき その3
==================================
今日、いよいよ開戦の火ぶたが切られます。
とんでもない準備をしてきた日々。
ここ数年のギャラリー島田はこの展覧会を実現することに向けて無意識のう
ちに準備を進めてきたのだと、改めて感じます。
ギャラリーのスタッフだけでない重層的なチーム、建築設計事務所の協力を
はじめ、多くの協力関係がなければ、出来うることではありませんでした。
今日11:00に開幕。14:00よりささやかなオープニングを行います。
下記は昨夜の展示作業風景です。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=7823
敢えて、今日は会場風景としては上げていません。
今回は、多くの販売される作品をご用意しています。
この機会をお見逃しなく。
榎さん、共々にお待ちしています。
そして戦いを完成させるのは、見にきていただく方、
そう、あなたです。
お待ちいたしております。
ギャラリー スタッフ 作業応援隊 インターン 一同
そして島田誠
==================================
2 展覧会案内 榎忠展 [MADE IN KOBE]
==================================
会場:全館
日時:6月9日 (土)〜7月2日(月)11:00-19:00
入場料300円(当日限り再入場可)
※最終日も19:00まで。金曜休廊。
■6月9日(土)14:00〜
[ オープニング ]
榎忠展開催を祝し、ささやかなパーティーを行ないます。
どなた様も是非お越しください。
予約不要・無料(要入場券)
■6月16日(土) 15:00 〜
[ 第343回 神戸塾 土曜サロン ギャラリーツアー ]
榎忠さんと各会場を巡回し、作品の解説をしていただきます。
予約不要・無料(要入場券)
■6月23日(土) 15:00 〜
[ 第344回 神戸塾 土曜サロン トーク 榎忠 × 島田誠 ]
榎忠さんと島田誠によるクロストークを開催します。
トークのみ要予約とさせていただきます。
要予約・無料(要入場券)
http://gallery-shimada.com/?p=5358
==================================
3 今日の言葉
==================================
異形と兵器
安い時もうけて高い時つぶれ―商売の浮き沈みに掛けて江戸川柳が詠むの
は鎌倉幕府執権の北条氏。高時の時代の1333年に北条氏は滅んだが、泰時が
もう儲けたとは?1232年にもう設けた御成敗式目である。その式目、第34条
にこうある。「…次に道路の辻に於て女を捕ふる事、御家人に於ては百箇日
の間出仕を止むべし。郎従以下に至つては、右大将家の御時の例に任せ、片
方の鬢髮を剃り除くべきなり。ただし、法師の罪科に於ては、その時に当り
て斟酌せらるべし」。この条文から強姦の罪を犯した武士には片方の髪を剃
る刑罰があったことが分かる。片方を剃るといえば、榎忠が上から下まで全
身の毛の片方だけを剃ったパフォーマンス《ハンガリー国へハンガリ(半刈
り)で行く》ではないか!半刈りは遅くとも鎌倉時代にはあったのだ。その
ビジュアルを探索すべく『絵巻物による日本常民生活絵引』などを捲ってみ
たが、残念ながら発見できなかった。それにしても、榎には空手家の大山倍
達(眉毛の半刈り)やアメリカの殺人犯ジョン・リンレー・フレイジャー
(髪、眉毛、髭の半刈り)といった半刈り兄弟たち(兵庫県立美術館の個展
図録参照)に加え、先祖(髪の半刈り)がいたのは確かである。
鎌倉時代の人々には半刈りが異形に見えたからこそ、この刑罰だったのだ
ろう(髪の霊力を削ぐ意図もあったかもしれない)。中世における異形の者
たちといえば、網野善彦の著書『異形の王権』が想起される。鎌倉末〜南北
朝においては異形の姿は下層の民から芸能の民、悪党、大名にまで及び、は
ては後醍醐天皇も異形であったことが明らかにされている。なにも天皇が半
刈りになったわけではないけれど、自ら倒幕の祈祷をする天皇の前例のない
法衣姿は異形と呼ぶにふさわしいという。つまり、異形には神聖な存在から
外道の存在まであるのだ。これは歴史上のことだが、神話や説話においては
聖なる異形も獣的な異形も、さらにはトリックスター・タイプの両義的な異
形すらあることは山口昌男の書物などを紐解けば明らかである。常態を起点
に据えた見方ゆえ、そのアンチには様々な他の属性が含まれうる。異形は、
その表面の強度と、両義性あるいは多義性の内包を特徴とするのである。
ここで榎の芸術に立ち返ろう。彼の芸術の根幹にはパフォーマンスがある
のは間違いない(彼のモノたちも、彼に託されてパフォーマンスしているよ
うに見えないか)。髭面の女装ローズ・チュウも含め、彼のパフォーマンス
の異形を、異形の者たちの中心にいた芸能の民のそれと繋げ、そのいわば精
神上の系譜を捉える試みは魅力的だし、許されもしよう。しかし、より重要
なのは、異形が両義的、多義的であるように、異形をひとつの特性としてい
た榎のパフォーマンス(および作品)にも一義的な意味に回収されない魔力
があることだ。こうした特性は、たとえば、榎の兵器タイプの作品群、つま
り、ガスを爆発させて弾を発射する大砲や、実物大の原子爆弾の模型、鋳物
製の銃、実際の薬莢の塊などにおいても見受けられる。このタイプの制作に
情熱を傾けてきた榎は、フィクションの中で自らの手を血で汚しているのだ。
彼は戦争反対の立場がときに陥ってしまうこともある論理の硬直から自由で
ある。むしろ、戦いや暴力の魅力に抗しがたく引かれ、片足をそこに浸けさ
えする。しかし、戦争と平和の両方に足を置くからこそ、その下には底なし
の深遠が開かれているではないか。それに接する私たちの態度は、楽しみな
がら、戦くことである。
出原均(兵庫県立美術館学芸員)
==================================
4 ギャラリー 島田 スタッフ募集のお知らせ
==================================
【募集する人材】
・男女問わず40才まで。
・美術や音楽、芸術文化全般に興味のある方。
・PC (Word/Excel/Illustrator/Photoshop)を使用できる方、英語力のある方、
普通自動車免許を取得している方は優遇します。必須ではありません。
【勤務内容】
・ギャラリー運営に関る業務全般
【給与】
・勤務形態により給与条件は異なります。仔細面談にて。
・試用期間を経て、正社員登用。
・社会保険完備。
【応募について】
ギャラリー島田についてHPなどを含め、よく知ったうえで、ご応募ください。
・応募〆切 6月25日(月) ※随時面談予定のため、打ち切らせていただく場合
もございます。
・履歴書/職務経歴書を、下記応募先のメールアドレス、または郵送にてお送
りください。
・職務経歴書には、経験した担当業務をお書きください。
・履歴書には、必ず連絡の取れる電話番号(携帯電話等)、メールアドレスを
ご記入ください。 ※選考結果等の連絡はメールにてお送りします。
・メールアドレスが携帯メールアドレスの場合、PCメールの受信拒否設定をし
ていることにより、メールが届かないことがございます。
連絡がつかない時には、応募無効とさせていただくことがございます。
〒650-0003 神戸市中央区山本通2-4-24リランズゲートB1F
ギャラリー島田 採用担当 宛
TEL&FAX 078-262-8058
MAIL info@gallery-shimada.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━