月別アーカイブ: 2015年7月

Gallery SHIMADA メールマガジン 1119号

□■□2015年7月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1119号
        戦争と平和 ある観察(その2)

1 蝙蝠日記   助け合いの記憶は「含み資産」
2 展覧会案内  金子善明展  
3 今日の言葉  ほんとうの勝利者はない

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蝙蝠日記  「ばかにするな」「なめるな」の大合唱
「戦争と平和 ある観察」(人文書院)
全体の構成は

戦争と平和 ある観察
戦争と個人史
私の戦争体験
「対談」中井家に流れる遺伝子 X 加藤陽子

災害を語る
災害対応の文化
「対談」 大震災・きのう・きょう  助け合いの記憶は「含み資産」 X 島田誠

「戦争の切れ端を知る者として未熟な考えを”観察”として提出せずにおれない気持ちで」書
かれた力作です。
 戦争の酸鼻な局面を本当に知るのは死者だけで「死人に口なし」という単純な事実ほど
戦争を可能にしているものはない、とし、過去の戦争は「戦争を知るものが引退するか世
を去ったときに次の戦争が始まる例が少なくない」と、現状への警鐘を鳴らします。
 この重要な指摘を要約することは難しいのですが、まず「戦争は進行していく”過程”であ
り、平和はゆらぎのある“状態”である」として、戦争への過程がいかに単純化され美化さ
れ強化されていくか、そして死者に対する「生存者罪悪感」がさらに戦争推進力を加速さ
せていくことを歴史的に観察する。
 一方「平和」は無際限に続く有為変転の「状態」で、絶えずエネルギーを費やして負の
エントロピーを注入して秩序を立て直し続けるという格段に難しい営みである。
平和は「維持」であるから、唱え続けなければならず、持続的にエネルギーを注ぎ続けな
くてはならない。しかも効果は目に見えないから、結果によって勇気づけられることはめ
ったになく、あっても弱い。
 戦争は男性の、「部屋を散らかす子ども性」が水を得た魚のようになり、戦争を発動する
権限だけは手にするが、戦争とはどういうものか、どのように終結させるか、その特質は
何であるかは考える能力も経験もなく、その欠落を自覚さえしなくなる。そして、ある日、
人は戦争に直面する。
戦争に対する民衆のバリヤーもまた低下する。国家社会の永続を安全に関係しない末梢的
な摩擦に際しても容易に先導されるようになる。たとえば国境線についての些細な対立が
いかに重大な不正、侮辱、軽視とされ、「ばかにするな」「なめるな」の大合唱となってき
たことか。歴史上その例に事欠かない。
 ここから先は本を読んで頂きたいのですが「戦争準備と平和の準備」「戦争開始と戦争の
現実」「戦争指導者層の願望思考」「開戦時の論理破綻と戦争の堕落への転回点」「人間はい
かにして戦争人たりうるか」などと続く。こうした考察は「樹をみつめて」(みすず書房)
で結実しているが、その準備は2005年の「関与と観察」(みすず書房)での数々のエッセ
イで準備された。中井久夫先生にとってのこの10年は戦争を考え抜き、もっとも困難であ
る平和へと向かう絶望的ともいえる努力の促しである。そして、その危機のまっただなか
である今、本著が刊行された意味は大きい。
■■■
金子善明展 醗酵する言葉 8月1日(土)から 8月6日(木) 
今日、展示作業で、明日からです。
作家の言葉、島田の言葉は下記で
http://gallery-shimada.com/?p=3098
■■■
今日の言葉
クラウゼウィッツの「戦争論」が「戦争とは外交の延長である」と説いているのに反して、外交不在の状態ですぐに軍刀に手をかけるのは日露戦争終戦以来である。 戦争の成果は短期間しか続かず、戦争後遺症のほうは非常に継続する。われわれもなお、
日露戦争の後遺症の中にあるのかもしれない。ほんとうの勝利者はないのである。
中井久夫
蝙蝠から
「関与と観察」(みすず書房)の熱の入ったながい「あとがき」からの粗い引用です。

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公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は兵庫・神戸の文化の土壌を
豊かにする芸術活動に助成しています。
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本基金へのご寄付は、公益財団法人への寄付として寄付控除の対象となります。
・みなと銀行 北野坂支店 普 1656831 公益財団法人神戸文化支援基金
・郵便振替口座:公益財団法人 神戸文化支援基金 00950-0-322393
 他行から振込みの場合は店番 099 当座 0322393

Gallery SHIMADA メールマガジン 1119 号

□■□2015年7月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1119号
        戦争と平和 ある観察(その1)
ほんとうにうれしい 
1 蝙蝠日記   昨日届いた本
2 展覧会  ミニアテュール神戸2015  おかげ様で
3 今日の言葉 その場にいてくれる=copresence

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蝙蝠日記  昨日届いた本
尊敬する中井久夫先生の新刊が昨日、届きました。
 「戦争と平和 ある観察」(人文書院) 発売8月5日。
ほんとうにうれしくて。
帯に
戦後70年、神戸の震災から20年  
戦争を二度と起こさないために、自身の戦争体験を語る
  加藤陽子(歴史学者)島田誠(元海文堂書店社長)との対談も収録
とあります。
中井久夫については下記で
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%BA%95%E4%B9%85%E5%A4%AB
今、もっとも大切な時期にさしかかっている日本の「戦争と平和」の議論。
そこに焦点を合わせた中井久夫先生の著書に、1997年8月の雑誌『WAVE117』創刊号で
の中井先生と対談が、この本の最後に置かれているのに感激しました。
私自身が忘れていたことを、憶えていて下さって、今という時代に生かして下さったので
すから。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5759
この本の表紙装画は中井久井さんご自身です。
▲▲
本書の骨格は「樹をみつめて」(2006年:みすず書房)の「戦争と平和についての観察」(P56―114)にあり、それに個人史を加え、新たに加藤陽子さんとの対談を収録した第一部。 第2部の災害対応として中井先生の論が置かれ、最後が私との対談で締めくくられていま
す。
■■■
「樹をみつめて」の発刊の時に私は神戸新聞に「評」とも言えない「感想」を書かせて
いただき、その時、中井先生からいただいた礼状は今でも書斎に貼っています。
その評です。
 1980年に神戸大学精神科教授として赴任、新神戸駅に降り立ったとき、空も山も、空
と山を映す海も、骨まで染める青さに驚いた。この自然の額縁がこの街の様々な不整合
を消してきた。市民は神戸市のやることを我が事のように誇ったと書く。それから20年。
ハーバーランドから見る姿を「今なお美しい、しかし動きのない港は”廃市”という言葉
さえ浮かぶ」。光が強烈であるだけに影もまた濃い。しかし市民は諦観とも見えるほど
淡々としている。「神戸は生きる喜びのためにある街だ。詩人と画家が多い」。エッセ
イは書けないと思っていた著者がエッセイとしては7冊目の本著を出し、ギリシャやフラ
ンスの詩を翻訳し、はたまた童話の挿画まで手がけたのが神戸の持つ魔力かもしれない。
多田智満子さんの例を挙げられているが、表層的文化よりも地下水脈が豊かなのである。
書名「樹を見つめて」の自然観照を幕開けとして、神谷美恵子さんの人と読書を巡る論
考、どれも深く届くものがある、しかし私にとって、この本の白眉は「戦争と平和につ
いての観察」である。精神科とは社会の病理と密接であるから当然とも言えるが、’95
の阪神淡路大震災で著者は「こころのケアーセンター所長」としてまるごと震後社会と
向き合った。そして次に「戦争の切れ端を知る者として”観察”と題して提出せずにおれ
ない気持ちで」本稿に取り組まれた。歴史の中の戦争を振り返えれば、酸鼻な局面を知
る者がいなくなったときに繰り返される。ひたひたと戦争への足音を聞き、平和と言う
状況をメインテナンスするために費やされる成算なき膨大な負のエントロピーを思う。
戦争は男性の部屋を散らかす「子ども性」が水を得た魚のようになり、戦争を発動する
権限だけは手にするが、戦争とはどういうものか、どのように終結させるか、その特質
は何であるかは考える能力も経験もなく、その欠落を自覚さえしなくなる。そして、あ
る日、人は戦争に直面する。
「観察」を提示した著者が私達に迫っているのは「関与=Do Something」である。

加藤陽子さんとの対談は「中井家に流れる遺伝子」。これもとても興味深い。
偶然ですが書斎デスクのすぐ横に中井先生の本がならび、その一段下に「それでも、
日本人は『戦争』をえらんだ」(朝日出版社)が一杯、付箋がついて置かれていました。

次回は「戦争と平和 ある観察」についてもう少し紹介します。
ともかく、お読みください。
ギャラリー島田で常時、お求めいただけます。                                                   ■■■
ミニアテュール神戸2015 「ホワイボン」
大変、好評をいただき、四日目にして昨年の実績を超えました。作家の皆さんの意気込み
が伝わるのですね。
お見逃しなく。
会場風景です。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5730
■■
今日の言葉
阪神淡路大震災のときに、わたしは当時神戸大学の附属病院に勤務しておられた精神科医
の中井久夫先生から一つの言葉を教わりました。
copresence という言葉です。中井先生はこの言葉を「いてくれること」と訳し、他人の
copresence が被災の現場でいかに重い意味をもつかを説かれました。
被災直後、中井先生は地方の医師たちに救援の要請をなさいました。
全国から多くの医師が駆けつけたのですが、中井先生はじめ神戸大学のスタッフが患者さ
んにかかりっきりで、応援団になかなか交替のチャンスが、回ってこない。
そのうちあまりに長い待機時間に小さな不満が上がりはじめたとき、中井先生はその医師
たちに集まってもらい、「予備軍がいてくれるからこそ、われわれは余力を残さず、使いき
ることができる」と語りはじめました。
そして、「その場にいてくれる」という、ただそれだけのことが自分たちのチームにとって
どれほどポジティヴな意味をもつかを訴えられたのです。
平成22年 鷲田清一総長が大阪大学の卒業式で述べられた「祝辞」から

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1118号

□■□2015年7月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1118号
         みんなの「ホワイボン」
1 蝙蝠日記 WHY WERE YOU BORN?
2 展覧会  根津太一展  みえない糸で繋がる命( 層 )
3 「海の本屋のはなし」はもう読まれましたか?
4 今日の言葉 眼の前に現れていない出来事や過程をのびやかに想像する
こと、あるいは論理的に問いつめてゆくこと。

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蝙蝠日記  みんなの「ホワイボン」
WHY WERE YOU BORN?
なんのために生きているの?
なんのために描いているの?
なんのために作っているの?

ミニアテュール神戸2015 「ホワイボン」が始まり、昨夜、ドリンクナイトがありました。
作家、ギャラリー、お客様の枠をこえて、みんなが作るパーティーです。
進行は島田容子、乾杯は瑞季ちゃんを抱いた林淳子(いずれもスタッフ)が
裏方も作家や作家の奥さんがお手伝い。
potluck(ポトラック・持ち寄り)スタイルでした。
2時間半にわたり延べ70名のみなさんが交流を楽しみ、出席した作家、全員が自作を語
りました。
パーティー風景をどうぞ。
ドリンクナイト!
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5752
昨夜、遅くまで片付けに追われていたのに、もうブログを書いてくれてありがとう。
自作を語る作家たち。
富長敦也さん、サイモン・エバリントンさん、花井正子さん。
横で作品を掲げているのはメラニーさん(インターン)
150作品の半分を担当。あとの半分は猪子大地(新スタッフ)が担当。
作家の名前が呼ばれると即座に150作品から選び出して掲げる。
(もっと参加作家35名ほどですが、誰が来られるかは事前に分からないので、シナリオ
が無いので、その役割を指名した時、一生懸命、作家名を書き写しながら勉強していまし
た。ありがとう。

最後に映っているのはゲストのスズキコージさん。映ってはいませんが、同じ、絵本作家
で夫人の大畑いくのさんと来ていただきました。
来年4月にギャラリー島田の二つの場を使って異色の仕掛け満載の展覧会をしていただき
ます。
■■■
根津太一展  みえない糸で繋がる命( 層 )
意欲的、魅力的な会場風景をご覧下さい。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5745
作家の言葉  島田の言葉は下記でどうぞ
http://gallery-shimada.com/?p=3095
■■■
「海の本屋のはなし」はもう読まれましたか
大きな反響が伝わってきます。
下記をご覧下さい。
https://twitter.com/kobekurakudo?original_referer=http%3A%2F%2Fkurakudo.co.jp%2Fabout%2F&profile_id=2653855183&tw_i=624059897034878976&tw_p=embeddedtimeline&tw_w=529608891777024000 ■■
今日の言葉
想像力・・
眼の前にあるものを足掛かりとして、眼の前に現れていない出来事や過程をのびやかに想像する
こと、あるいは論理的に問いつめてゆくこと。これは科学や宗教や芸術、あるいは政治や倫理や
(他人への)思いやり、それらのいずれにおいても根のところで働いているはずのわたしたちの
だ。それが今ひどく萎縮している。  鷲田清一

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1117 号

□■□2015年7月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1117号
          もう一つのお別れと「ホワイボン」 
1 蝙蝠日記  鶴見俊輔さん
2 展覧会   ミニアテュール神戸2015 「ホワイボン」 明日(25日)から
       根津太一展  みえない糸で繋がる命( 層 ) 明日(25日)から

3 ドリンクナイトへのお誘い  25日(土) 17:00
3 今日の言葉 倫理なしに生きることはむずかしい

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蝙蝠日記  鶴見俊輔さん
亡くなられました。93才でした・
今朝の朝日新聞に上野千鶴子さんが慟哭とも言える寄稿をされています。
「今夏の違憲安保法制の行方を、死の床でどんな思いで見ておられただろうか」
■■■
ミニアテュール神戸2015 「ホワイボン」  明日25日(土)12:00から
国際色豊かに、といってもお二人ですが16名の方が楽しく展示作業を共にしました。
150名を超える作家が参加する展覧会です。
皆でつくり、皆で楽しみ、出会う。
そして、それぞれの「ホワイボン」に出会う。
お値段も、かなりお安いです。お早めにどうぞ。

展示作業をどうぞ。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5730
「ホワイボン」って何?
参加作家さんのお名前も確認して下さい。
http://gallery-shimada.com/?p=3071
■■■
根津太一展  みえない糸で繋がる命( 層 )
作家の言葉  島田の言葉は下記でどうぞ
http://gallery-shimada.com/?p=3095

■■■
ドリンクナイトへのお誘い  25日(土) 17:00
毎年、熱気溢れるドリンクナイトです。
作家さんも、お客さまも、ギャラリー島田のご縁のあるみなさまの大交流会です。ポトラ
ック方式(持ち寄り)ですので、お気に入りの食べ物飲み物を片手に、ふるってご参加く
ださい。
■■
今日の言葉
組織に位置を得ると、その人は、インサイダー取引の作品を書いて(描いて)、それを続け
るようになる。そのことは、その人の表現に刻印を押す。こうした表現には。へその緒が
ない。自分自身、自分にとっての自分がない。

大学についての私の定義は「他人、特に欧米人の言ったことを、自分の考えたことと錯覚
させる機械」。この機械はそれなりに有効であり。こえから抜け出すことは150年たっても、
まだむずかしい。

小さな地域に生きている、消費者の自由の行使は、日本国の再建にはすぐには
役にたたない。手おくれというなら、すでに手おくれなのだ。おくれて、わずかなものを
育ててゆく余地があることを喜び、その余地をひろげることに手をかしたい。国家主義と
いうよりも民際主義としてのインターナショナルな感覚が、これまでの国家間を中心に考
える国際主義とちがって、そこにある。P27

倫理なしに生きることはむずかしい。
こうすることが正しいという直感を私がもつとき、私は、今の状況をこえて、別の状況を
つくりたいと思い、そこにむかって進みたいと思う。
 私が自分の内部で、そう感じるとしても、それは、私内部の感じであることにとどまら
ず、そのように他の人も感じて欲しいという願いをともなっており、もしわたしが「こう
することが正しい」というとすれば、それは、私にとってどんなに心外であっても、他人
に対するそれなりのおしつけがましさをともなう。
 そのことは、私にとって、倫理がもっている、いやな側面である。倫理は、残念ながら、
私一個の決断と行動にとどまらない。P18

鶴見俊輔「日本は状況から何を学ぶか」(sure)より

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1116号

□■□2015年7月
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          二つのお別れ 
1 蝙蝠日記  伊勢田史郎さん
        大重潤一郎さん
2 展覧会   ミニアテュール神戸2015 「ホワイボン」
3 アベ政治を許さない  画像が語る
3 今日の言葉 
 この世の中を、いますこしでもまともにしたいという思いを常に抱いている

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蝙蝠日記  思いを遠くへ馳せながら
伊勢田史郎さんが7月20日亡くなられました。享年86才。
25年前からの10年ほど前まで、様々に一緒に活動したことが去来します。
大人(たいじん)としての伊勢田さんと駻馬(かんば)の私し、ご苦労をおかけした
ことをいまさらながら思い起こしています。
1993年ころ私が神戸芸術文化会議の民主的改革に前議長の遺思を継ぐ様に断行した
手続きで伊勢田さんは議長に就任されました。
1995年、阪神大震災の2月の「アートエイド神戸」を立ち上げその時に伊勢田さんが実行
委員長に私は事務局長として7年間ご一緒しました。2002年に活動を閉じましたが、その
後の著作はお送りいただき読後感などをお伝えする程度でしたが、2011年の東日本大震災
が起こった直後にお電話をいただき
「島田さん、また貴方の出番ですね。ご苦労ですが、お願いします」と話しをし、そして
私は仙台入りして「アーツエイド東北」の設立に関わりました。
「アートエイド神戸」の実行委員では伊藤誠(美術評論家)さん、そしてこの5月には中
西勝(画家)さんが逝きました。淋しくなりました、伊勢田さんには、この10年ほどの疎
遠を心から詫びながらご冥福をお祈りしています。
■■
7月22日15時50分 大重潤一郎さんが亡くなられました。
(年表では1946年生まれ。ええ??? ぼくよりお若いのか)
映画監督の大重さんとも20年前の震災以降の長いお付き合いでした。
4月には火曜サロンで、長編記録映画『友よ!大重潤一郎魂の旅』上映会・トーク
「20年前にたしかに見たユートピアを求めて!」を開催し、沖縄で闘病中の大重さんの
メッセージを坪谷令子さんが届けて下さり、今後の大重潤一郎映画上映会の実行委員会
の設置を決め、7月28日にはギャラリー島田で第2回の委員会が予定されていました。
http://gallery-shimada.com/salon/?p=212
ますます大重さんの残したメッセージを大切に受け取り、伝えていかねばなりません。
■■■
ミニアテュール神戸2015 「ホワイボン」
今日150名を超える作家が参加する展覧会の展示作業を行います。15名をこえるみなさん
が協力しての展示作業そのものが夏祭りです。
「ホワイボン」って何?
http://gallery-shimada.com/?p=3071
▲▲▲
「アベ政治を許さない」
http://gallery-shimada.com/blog/
■■
今日の言葉
ヒロ
永さんって、本当はもうちょっと偉そうにしていい人ですよね。だって、今日のテレビの
世界を草創期からつくってきた人だし、作詞家として世界的な代ヒット曲「上を向いて歩
こう」を作った人だす、本当にいろいろな分野に関心をもって幅広く活動してきた人。
蓄積してきたものがすごい。年齢的にも大御所として偉そうにしていてもいいのに、偉そ
うな態度をしたことがない。本当に謙虚さを失わないですよね。
佐高
好奇心の塊でね。いつでも書生のような姿勢でしょ。
ヒロ
自分がこの人を応援して、その人が世に認められていくことで、その人の持つパワー、エ
ネルギーがまた伝播して、元気になる人が増える。そういうふうに、世の中を明るく元気
に活性化していく循環をつくっているんですよね。
佐高
この世の中を、いますこしでもまともにしたいという思いを常に抱いている。自分のため
にやっているわけじゃないものね。
「安倍政権を笑い倒す」佐高信 松元ヒロ (角川新書)p127、128
蝙蝠から
7月16日 国会議事堂を取り囲む多くの人々の中で偶然、松元ヒロさんご夫妻とお会いした。そしてこの本が、すぐに届いた。
その中から尊敬する永六輔さんのところを引いた。
笑い倒すのは、本を買ってください。面白いです。
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Gallery SHIMADA メールマガジン 1115号

□■□2015年7月
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自画像を巡って

1 蝙蝠日記   シャルフベックと鴨居玲
2 展覧会の予告 「鴨居玲と神戸」
4 今日の言葉  “飛ぶ前に見る”人をどうしても信ずる気に
なりません。

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蝙蝠日記 シャルフベックと鴨居玲
上京して鴨居玲展に二日にわたって足を運び、ヘレン・シャルフベック展を見てきました。
鴨居玲展はこちら。(東京展は終了しましたが巡回します)
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201505_Rey_Camoy_Retrospective.html ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし(東京藝術大学美術館)はこちらです。
http://helene-fin.exhn.jp/
こちらは26日(日)まで
私はもう一つ世田谷美術館の「憧憬、友情、孤独、苦闘、革新…。夭折の青年画家と
異都パリの画家群像 」を見たいと思っていました。金山泰喜が33才で急死し、パリに
残された作品を日本へ送り返したのは野見山暁冶と鴨居さんで、そのときに見た金山
作品に強い感銘を受けたようです。
金山展は下記で、9月6日までです。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html でも時間切れで行けませんでした。終わるまでに是非。

シャルフベックと鴨居玲
シャルフベックは極めて魅力的な作家で、どの作品も「魂のあるところ」を感じさせ
ますが、とりわけ人物、そのなかでも自画像が多く、またそれぞれが魂の告白といった
内的ドラマを抱えていることに鴨居の魂の軋みが響き合っています。
ともに死に向かって自分を凝視しシャルフベックは顔の左半分の頬を抉り取られたように
描き(1913.1926の自画像)、鴨居は自死した年に自らの顔を剥ぎ取って左手にもった
「肖像」(1985)を描いた。
「シャルフベックは、自分の姿を醜く描くことで、迫りくる死に対する不安感や、自分の
人生を振り返ったときの空虚感から一時的にでも救済されることを願っていたのではない
だろうか」カタログp66
「鴨居は、この作品では、自失して呆けた顔の表情さえもが、移ろう現世の薄皮として
捨てられてしまう境地に至っていて、真っ白い顔は、これまでの蓄積もなく、これからの
展望もみえない、無に近い自身の白紙状態を表していると考えられる」カタログP85
■■
シャルフベック21才の時の婚約破棄は「恢復期」という喩えようもなく美しい作品を生む
が、51才の時の失恋は「未完成の自画像」を生み、死神のような顔がペインティング・ナ
イフで傷つけられている。自画像の自傷行為は、ゴッホの「耳を切った自画像」を想起さ
せる。
そして最後の自画像となった「黒とピンクの自画像」の放心した抜け殻となった顔は「1982
年、私」の鴨居の顔に繋がってみえる。
鴨居玲は制作途上であった教会の大作をペインティング・ナイフで切り裂いたものが残さ
れている。鴨居にとって教会が自己の魂の告白であるとすればこれも「自傷行為」とも
見える。(ただし作品としてではないが)。この作品は参考資料としてギャラリー島田で展
示する予定です。
■■■
自画像は面白い。モデルが自分であるということを超えて、内面を露にせずにはおかない。
作品はすべて作家の内面の表出であるとはいっても、似顔絵でなければ、自分の存在を真
正面から問わずにおれないことは苦しいことだろう。
多くの画家は若き日にはかいても老いては描かない人が多い。
ゴッホは知られるところだが忠実に描き続けたレンブラント、ゴヤ、ドラクロア、ルーベ
ンスや日本では岸田劉生、村山槐多、松本俊介、青木繁などを思います。岸田を除けば夭折の画家ですから当然かもしれません。
しかし、鴨居玲やシャルフベックのように自傷というほどエキセントリックな自画像はそ
んなに知りません。
萬鉄五郎の「赤い目の自画像」アンソールの「骸骨となった自画像」レンブラントの不気
味に「笑う自画像」。そしてシャルフベックが一つの顔に二面性を描いたものに似たエゴ
ン・シーレの「二重の自画像」などを思い浮かべます。
▲▲▲
没後30周年展「鴨居玲と神戸」は8月22日から9月2日まで。
■■
今日の言葉
私の性格として、いや全くの本能的なものとして、“飛ぶ前に見る”人をどうしても信ずる気に
なりません。(善悪を述べているのではありません)とかく飛ぶ前に見る人は、とても美しいす
りかえの論理を使用する時がある故にです。
 しかし、“飛んでから見る”という人生。これはホンマのところしんどい事でまあります、
実感です。
たぶんフルいと、若い方に言われるでしょうけれども、私には、これしか、この方法でしか
“生きようが無い”“生きる意味が無い”といった人生を、少なくとも物を創ろうとする人間
はえらぶべきでしょう。鴨居玲(マドリーにて。プラドで会った画家に)

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公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は兵庫・神戸の文化の土壌を
豊かにする芸術活動に助成しています。

http://www.kobushi-kikin.com/
本基金へのご寄付は、公益財団法人への寄付として寄付控除の対象となります。
・みなと銀行 北野坂支店 普 1656831 公益財団法人神戸文化支援基金
・郵便振替口座:公益財団法人 神戸文化支援基金 00950-0-322393
 他行から振込みの場合は店番 099 当座 0322393

Gallery SHIMADA メールマガジン 1114 号

□■□2015年7月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1114号
         
伝えたい、大事なこと

1 蝙蝠日記   ウルトラ植物博覧会
2 展覧会案内  根木悟展  今日から
         蓮池もも展 あと5日です。 
3 「War is Over」
4 今日の言葉  ひとの心に植物を植える

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蝙蝠日記 ウルトラ植物博覧会
東京で銀座のギャラリー周りをしている時に偶然目に入りました。
ポーラミュージアム・アネックスでした。
看板には名前が書かれていないのですが、これは西畠清順さんに違いないを確信して
3Fの美術館に上がりました。
植物の持つ摩訶不思議な個性と自己表現力は、なまじのアートを超えて魅了します。
http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html
8月16日までです。
西畠清順さんはギャラリー島田で銀閣寺花方(当時)の珠寶さんが花を立て下さるときに
珠寶さんに添って手伝って下さいました。
▲▲
ヘレン・シャルフベックー魂のまなざし(東京藝術大学美術館)と鴨居玲展で考えたこと
を書くつもりでしたが出勤時間が迫ってきました。
寝ないで、生きていけないか?
▲▲
昨日の今日の言葉は南輝子さんの短歌でした。
今朝、神戸新聞を広げると南輝子さんの「理想の世界へーイマジンに寄せて」が大きな記
事で紹介されていました。
南さんが歌人としても存知あげ、画家としてはギャラリー島田で発表され、沖縄でも佐喜
眞美術館美術館へ同行しました。
父上がジャワ・ジャカルタで虐殺されたことも前回、紹介した短歌の根源にあります。
この神戸新聞の記事は読んでいただきたいと思います。
沖縄の汗ばむクリスマスで聞いたジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」の話し。
「War is Over」
https://www.youtube.com/watch?v=Yeo6uSMzQtU
■■■■
風雨強まるなか展示作業が続きました。
初登場の根木悟展です。
気持ちのいい空間をスタッフブログで紹介しています。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5717
根木悟さんの言葉です。
http://gallery-shimada.com/?p=3068

蓮池もも展 まだご覧になっておられない方は是非お運び下さい。
▲▲
どんどん届く作品
恒例の夏祭り展、ミニアチュール神戸展が目前です(25日から)。
150人が参加するのです。今年のテーマはずばり「ホワイボン」 です。
「ホワイボン」って何??
http://gallery-shimada.com/?p=3071
▲▲▲
「鴨居玲と神戸」展。(8月22日から)の準備も、どんどんアイデアが出てきて、
頭が破裂しそうです。スタッフの苦労を思い遣ります。
■■
今日の言葉
「伝えたい、大事なこと」(会場のパネルの言葉がいい。その一部)
植物は、アートや文化、科学、宗教、ありとあれゆる物事の素であり、ましてや流行りや
ブームという言葉の入り込むような次元のものではない。この世界で星の数ほど起こって
いる喜びも悲しみも全ての出来事も、貴方の髪の先から貴方の爪の先に異たるまで、すべ
て植物なしでは存在していない。願わくば、そんな当たり前のことをもう一度思い出して
ほしいと思う。
この展示会のあれにとってみなさんへのメッセージ。おれは植物を運ぶことで“価値感”
を運び、これからもたくさんの“気付き”を届けたいと思います。

そら植物園とはひとの心に植物を植える、活動名です。 そら植物園代表  西畠清順

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1113号

□■□2015年7月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1113号
         10万人の中で   
議事堂の前から
1 蝙蝠日記  鴨居玲―踊り候へー
ヘレン・シャルフベックー魂のまなざし 
2 国会議事堂まえから  
3 アジール島田学校    明日は中止になりました。
4 今日の言葉  
まいなころしの命のすきまに生まれ来て 極東亜細亜に生きてゐるいまを

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蝙蝠日記 鴨居玲―踊り候へー 
東京ステーションギャラリーの鴨居玲展が20日まで。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201505_Rey_Camoy_Retrospective.html 来月22日からのギャラリー島田での「鴨居玲と神戸」も迫ってきました。
いい展覧会です。2回行ってきました。
それぞれに思いが呼び起こされ二日にかけて見てきました。
私が「死ぬ時はこの作品を掛けて」と家人に言っていた鴨居さんの自画像「宴のあと」(図録P77)がありました。資金繰りのために泣く泣く手離したものです。 その他の作品も同系統の作品を扱ってきて感懐を感じざるをえません。

会場掲示も、図録掲示でも海文堂ギャラリー、ギャラリー島田の名前が5箇所ありました。
それぞれの作品や画家自身のことは、これから書いていきます。
▲▲
東京での二日間は銀座のギャラリーを回り、あとは河鍋暁斎展(三菱1号館美術館)
狂ってたのは、俺か、時代か?画鬼暁斎
http://mimt.jp/kyosai/
当時のスター絵師よ弟子コンドル、の組み合わせは愉快でした。
▲▲▲
そして、もう一つ
ヘレン・シャルフベックー魂のまなざし(東京藝術大学美術館)が、とても良かったです。
フィンランドを代表する画家ですが、初めて知りました。
http://news.livedoor.com/article/detail/10159270/
ゆっくり見ながら石井一男さんのことを思い、すぐ葉書を出しました。
7年前にデンマークを代表する画家、ハンマースホイを国立西洋美術館でみて、即座に
井上よう子さんに手紙を書いたことを思い出しました。
http://collection.nmwa.go.jp/P.2008-0003.html
シャルフベックについても書かねばならぬことがあります。
■■■■
国会議事堂まえから
そのために上京したわけではありませんが、「安保法案」(戦争法案)が強行採決
された15日、私は議事堂を取り囲んだ十万人の中にいました。18:00から20:30
までいましたが、帰る人もあれば、まだまだ続々と来る人もあり、年配も若者も夫婦
や子ども連れも。
この大群衆の中で松元ヒロ(社会派お笑い芸人)さんご夫妻を会いました。

何故か?
私の日頃からの心情、行動からすれば、安倍政権のやりかたを認めるわけにはいきません。
あらゆる指標がこのことを認めていません。お任せすることではありません。
そして私は現場主義ですから、迷わずに。
■■■■
アジール島田学校  第3回 物語を紡ぐ
明日は台風接近のために中止になりました。
■■
今日の言葉
かなしみの夜をゆすりゆすり生(あ)れにケリ わが生、みなころしも時代に

まいなころしの命のすきまに生まれ来て 極東亜細亜に生きてゐるいまを

時代のひずみに生(あ)れしゆゑ 月の満ち欠けのたび命がきしむ
南輝子(歌人・画家)

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1112号

□■□2015年7月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1112号
         魂を揺さぶられるひと時 

1 蝙蝠日記   こぶし基金について
2 展覧会案内  蓮池もも展        
         中西勝先生を偲んで    
3 アジール島田 第3回 物語を紡ぐ
4 今日の言葉  小刻みに震える動き
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蝙蝠日記  こぶし基金について
公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は1992年に誕生した公益信託「亀井純
子基金」を源として発展してきました。例のない市民の皆様の寄付で、兵庫県下の意欲的、
挑戦的な藝術文化活動を支援してきました。
詳細は下記をご覧下さい。
http://kobushi-kikin.com/

財団設立以来、お世話になってきた事務局(認定NPO法人市民活動センター神戸)との
事務委託契約を6月末で解消し、事業目的にそった、より簡素な理想的な運営体制を目指
して本部内(ギャラリー島田)に事務局を置き、常時、資料を公開できるようにいたしま
す。
例年、お願いしていました寄付のお願いは新しい体制の準備のために行なってきませんでしたが本年、9月に再開する準備をすすめています。 「こぶし基金」は市民が地域の藝術文化活動の土壌を豊かにする類のない市民メセナです。
ご支援をお願いいたします。
▲▲
改正のためのおもなポイント。
1 従来のアート・サポート・センター神戸を通じての支援のお願いをやめ、完全に切り
離して行なう。
2 従来、こぶし基金が行なってきた東北志縁はアート・サポート・センター神戸を通じて行なう。(定款との関係です)
3 業務を簡素化し、事務管理費を極限まできりつめる。
こうしたことは、文化支援財団としての運営モデルをつくりたいと願ってのことです。
ご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。
■■■■
蓮池もも展 新しい才能の発見です。お見逃しなく。
会場風景は下記で
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5707       
中西勝先生を偲んで 
5月22日に亡くなられた中西勝先生を偲んで、1950年代、60年代のメキシコ、モロッコ
など世界を旅していた時代の作品を中心にご覧いただいています。16日までです。
会場風景は下記で
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5707
■■■■
アジール島田学校  第3回 物語を紡ぐ
7月1日(金)19:30から  旧居留地 gallery4にて
詳細は下記で(予約制)
http://nonogallery.com/gallery_liveevent.html
■■
今日の言葉
震災後2回目となる2012年福島県合唱コンクールに、何と、たった1校、この地域から、
南相馬市の「南相馬市立小高(おだか)中学校」が参加していたのである。20人ほどの混声
合唱で、演奏曲はアメリカの現代作曲家ストループの「エレミヤの哀歌」であった。
   おお、すべての道行くものよ、立ち止まって見て見なさい
   私の苦しみに似た苦しみがあるかどうかを
   神よ、憐れみ給え、そして心に憶えたまえ
この情感豊かなテキストを、彼らは、ある時は激情と共に、またある部分は嘆願するかの
ごとく、全身全霊で歌いあげた。彼らがこの舞台に来るまでに、どれだけ多くの苦難や葛
藤があったか、想像するに難くない。聞けば小高中学校は、現在仮校舎での授業で、計画
的避難区域の域内の元の校舎に戻れる予定はなく、学区の住民も、ほとんど元の住まいに
は戻れないそうである。肉親を亡くした生徒や避難生活で離散した友人も多いことだろう。
それでも僅かずつ声を合わせて歌う時間を作り、目標に向かって手をたずさえて今日を迎
えた彼らの演奏。それだけでも本当に貴重なものだが、歌われた作品が上述のようなテキ
ストを持つものであったことが、印象をより強いものにした。
「凄かった」とか「感動した」というような言葉がどれも当てはまることのない、今まで
に聴いたことのないような心持ちになった。もちろん選曲の趣旨は彼ら全員に浸透してい
て、そのことが明確に発信された極めて訴求力のある音楽だった。恐らく彼らもこの曲に
思いを託することで、励まされたり、慰められたりしているのだと言うことさえ、誇り高
く歌う彼らの姿からはっきりと拝察できた。先生の指揮の、音を保つ際の小刻みに震える
動きからは、この瞬間に賭ける強い意志が伝わってきた。
静謐のうちに終えられた演奏に、タリススコラーズが歌うタリスの同名の作品に勝るとも
劣らない、魂を揺さぶられるひと時に出会ったことを確信したのである。
本山秀毅(このコンクールの審査員)
蝙蝠から
この数回の「今日の言葉」の紹介は、今日を書くためでした。
私も長く合唱指揮者を務めてきたので、この「エレミア」を指揮する先生の小刻みに震え
る動きが痛いほどに完全に同化し共感することが出来ます。
残念ながらこの時の演奏ではありませんが。これもとてもいいです。
郡山市立安積中学校合唱団 2012年8月5日、仙台市 東京エレクトロンホール宮城にて
開催された「こどもの音楽再生基金 Presents School Music Revival Live 2012」の模様 https://www.youtube.com/watch?v=2i4TyATdlys
お聴き下さい。
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豊かにする芸術活動に助成しています。

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1 蝙蝠日記   こぶし基金について
2 展覧会案内  蓮池もも展        
         中西勝先生を偲んで    
3 アジール島田 第3回 物語を紡ぐ
4 今日の言葉  小刻みに震える動き
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蝙蝠日記  こぶし基金について
公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は1992年に誕生した公益信託「亀井純
子基金」を源として発展してきました。例のない市民の皆様の寄付で、兵庫県下の意欲的、
挑戦的な藝術文化活動を支援してきました。
詳細は下記をご覧下さい。
http://kobushi-kikin.com/

財団設立以来、お世話になってきた事務局(認定NPO法人市民活動センター神戸)との
事務委託契約を6月末で解消し、事業目的にそった、より簡素な理想的な運営体制を目指
して本部内(ギャラリー島田)に事務局を置き、常時、資料を公開できるようにいたしま
す。
例年、お願いしていました寄付のお願いは新しい体制の準備のために行なってきませんでしたが本年、9月に再開する準備をすすめています。 「こぶし基金」は市民が地域の藝術文化活動の土壌を豊かにする類のない市民メセナです。
ご支援をお願いいたします。
▲▲
改正のためのおもなポイント。
1 従来のアート・サポート・センター神戸を通じての支援のお願いをやめ、完全に切り
離して行なう。
2 従来、こぶし基金が行なってきた東北志縁はアート・サポート・センター神戸を通じて行なう。(定款との関係です)
3 業務を簡素化し、事務管理費を極限まできりつめる。
こうしたことは、文化支援財団としての運営モデルをつくりたいと願ってのことです。
ご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。
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蓮池もも展 新しい才能の発見です。お見逃しなく。
会場風景は下記で
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中西勝先生を偲んで 
5月22日に亡くなられた中西勝先生を偲んで、1950年代、60年代のメキシコ、モロッコ
など世界を旅していた時代の作品を中心にご覧いただいています。16日までです。
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7月1日(金)19:30から  旧居留地 gallery4にて
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今日の言葉
震災後2回目となる2012年福島県合唱コンクールに、何と、たった1校、この地域から、
南相馬市の「南相馬市立小高(おだか)中学校」が参加していたのである。20人ほどの混声
合唱で、演奏曲はアメリカの現代作曲家ストループの「エレミヤの哀歌」であった。
   おお、すべての道行くものよ、立ち止まって見て見なさい
   私の苦しみに似た苦しみがあるかどうかを
   神よ、憐れみ給え、そして心に憶えたまえ
この情感豊かなテキストを、彼らは、ある時は激情と共に、またある部分は嘆願するかの
ごとく、全身全霊で歌いあげた。彼らがこの舞台に来るまでに、どれだけ多くの苦難や葛
藤があったか、想像するに難くない。聞けば小高中学校は、現在仮校舎での授業で、計画
的避難区域の域内の元の校舎に戻れる予定はなく、学区の住民も、ほとんど元の住まいに
は戻れないそうである。肉親を亡くした生徒や避難生活で離散した友人も多いことだろう。
それでも僅かずつ声を合わせて歌う時間を作り、目標に向かって手をたずさえて今日を迎
えた彼らの演奏。それだけでも本当に貴重なものだが、歌われた作品が上述のようなテキ
ストを持つものであったことが、印象をより強いものにした。
「凄かった」とか「感動した」というような言葉がどれも当てはまることのない、今まで
に聴いたことのないような心持ちになった。もちろん選曲の趣旨は彼ら全員に浸透してい
て、そのことが明確に発信された極めて訴求力のある音楽だった。恐らく彼らもこの曲に
思いを託することで、励まされたり、慰められたりしているのだと言うことさえ、誇り高
く歌う彼らの姿からはっきりと拝察できた。先生の指揮の、音を保つ際の小刻みに震える
動きからは、この瞬間に賭ける強い意志が伝わってきた。
静謐のうちに終えられた演奏に、タリススコラーズが歌うタリスの同名の作品に勝るとも
劣らない、魂を揺さぶられるひと時に出会ったことを確信したのである。
本山秀毅(このコンクールの審査員)
蝙蝠から
この数回の「今日の言葉」の紹介は、今日を書くためでした。
私も長く合唱指揮者を務めてきたので、この「エレミア」を指揮する先生の小刻みに震え
る動きが痛いほどに完全に同化し共感することが出来ます。
残念ながらこの時の演奏ではありませんが。これもとてもいいです。
郡山市立安積中学校合唱団 2012年8月5日、仙台市 東京エレクトロンホール宮城にて
開催された「こどもの音楽再生基金 Presents School Music Revival Live 2012」の模様 https://www.youtube.com/watch?v=2i4TyATdlys
お聴き下さい。
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豊かにする芸術活動に助成しています。

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