月別アーカイブ: 2014年10月

Gallery SHIMADA メールマガジン 1031号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1031号
          自然と老いをめぐって
1 蝙蝠日記   ヘルマン・ヘッセと河合拓始
2 展覧会案内  河合美和展
         TALA展
3 こぶし基金から  ありがとうございました
4 今日の言葉  信頼に満ちた喜びの花がお前の心に花咲く

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蝙蝠日記  ヘルマン・ヘッセ
河合拓始(ピアニスト・作曲家)さんが「ヘッセに寄せて 自然と老いをめぐって」と題
した渾身のコンサートを開催されます。

ヘルマン・ヘッセと言えば、20代に読みふけった記憶があります。多感に生きを探り求め
る頃に出会った人は多いとおもいますが、内容についての記憶は朧(おぼろ)です。
「車輪の下」「春の嵐」は書棚の片隅で紙やけした文庫本でありましたが読んだはずの「デ
ミアン」などは見当たりません。文庫の奥付がどちらも昭和47年です。
いつも一人の主人公を軸として、いかにして自分自身を発見できるか、自分の生き方とは
なにかを問い続けた魂の記録こそが青春の彷徨であり、それがまた老いへの考察とつなが
っていったのですね。

12月2日(木)神戸元町凮月堂ホールでのコンサートは、ヘルマン・ヘッセの詩文の朗
読を縦糸に、6人の音楽家の作品を春夏秋冬になぞらえた4グループに再構成して、コン
サート全体でひとつの循環的な時間と世界観を表現する、河合拓始渾身のプログラムです。
「ヘッセによせて〜自然と老いをめぐって〜」
コンサートのチラシは下記で
http://kobe-shibai.blogspot.jp/2014/10/blog-post_13.html

河合拓始さんはギャラリー島田のサロンで即興ソロ演奏ライブをしていただきましたが
ヘッセが後半生をスイスの田舎に暮らしながら「人は成熟するにつれて若くなる」といっ
て自然と老いをめぐる思索を深めたように、河合さんも2012年に東京から福岡県糸島市
に引越すと言う人生の大きな転換をされました。玄界灘に突出した糸島半島は朝鮮半島
と一衣帯水の位置にあり、原始・古代の昔から、玄界灘を介した異国間交流が行われ
稲作文化や政治など、様々な先進文化受容の地として発展した場だそうで、『魏志倭人
伝』に記された「伊都国」の地としても知られています。
ヘッセに倣(なら)って糸島へ住まいを移されたことと、このコンサートの在り方は深く
繋がっているようです。

単なる、難解な現代音楽のコンサートという枠を超えて河合拓始の世界観を披瀝する場に
立ち会うような稀な体験だと思います。
ご予約・お問い合わせ:090-1914−4907 神戸芝居カーニバル実行委員会(中島)まで。
またギャラリー島田でもご優待チケットを販売しています。
前売 3000円を2700円で。
■■
展覧会案内
◆河合美和展  11/1(土) 〜 11/12(水)
雄大な自然を心象的に取り入れながら自己の内面表現へ向かって厳しく律していた抽象
の時代、そして内に分け入るように脱力し感性を解きほぐしてきたこのごろ。描かれたも
のは「森」に違いないが、樹々は陰陽を孕み、風は葉を揺らし音楽を奏で、花も水も光彩
に耀き、そしてそれらを豊かに抱いている自身の命をも慈しんでいる。
作家の言葉は下記で
http://gallery-shimada.com/?p=2350
会場風景 スタッフコメントは下記で
http://gallery-shimada.com/blog/
◆TALA展 11/1(土) 〜 11/6(木)
自身の心の何を選択し、どこに向かいたいのかということを日々考えながら、まっすぐ創
作にあたりたいと思っています。自身を受け入れ、自分の心に付着し溜まっていったいろ
いろな感情や記憶、想いそして大切に記憶しているその時々の感覚や感触を使って素直に
制作すること。そうやって現れた作品たちが、今度は厳しく僕に問いかけ、時には同調し
てくれ、新たに次の作品へと向かわせてくれるのです。
僕はこんなちょっとした幸せが大好きです、という作品がたくさんできました。 TALA
http://gallery-shimada.com/?p=2346
会場風景 スタッフコメントは下記で
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5102
■■「こぶし基金」から
前号でご紹介させていただいた「2014ありがとう展」が終了し、その足で
募金箱を届けて下さいました。ご本人は領収書も不要ということで、お名前を出される
ことも望んでおられないと思いますが、寄付のありかたの、うれしい例として報告させて
いただきます。¥1,039,000をいただきました。
■■■■今日の言葉
「秋の雨」
おお雨よ、秋の雨よ、
灰色のベールにかすむ山々、
元気なく垂れた葉をつけた樹木よ、
くもった窓越しに病みつかれた年が
別れがたくのぞき込む。

こごえながら、水のしたたるコートを着て
おまえは外へ出て行く、森のほとりの
色あせた葉のあいだから
酔ったヒキガエルと山椒魚がよたよた這い出す

そして坂道を
果てしなく水が音を立てて流れ
イチジクの木のそばの草のなかに
辛抱強い池となってたまる

そして谷間の教会の塔からは
埋葬される一人の村人のために
ためらいがちにもの憂く
鐘の響きがしたたり落ちる

だがお前、愛する者よ、
葬られる隣人を悲しむのはやめよ、
夏の幸せや
青春の喜びをもう懐かしむな!

すべては誠実な記憶のなかに持続し
言葉に、絵に、歌になって保存される
永劫回帰の祝祭のための心構えをして
新しくなった高貴な衣装をつけて

保存することを助け、変化を助けるのだ
そうすれば信頼に満ちた喜びの花が
お前の心に花咲く。  ヘルマン・ヘッセ

蝙蝠から
朝晩は、肌寒くなりました。今朝は、今にも降りだしそうな秋の空が
拡がっています。「秋の雨」はコンサートで河合さんが朗読する一篇です。
ひたすら、うすっぺらく、のっぺらぼうになるばかりの昨今の日本。
ヘッセの深く沈積するような世界を懐かしく思い出すとともに、今、ヘッセを
知らない世代の皆さんも河合拓始に導かれるようにひと時、かけがえのない時空を
旅しませんか。
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公益財団法人「神戸文化支援基金」(こぶし基金)は兵庫・神戸の文化の土壌を
豊にする芸術活動に助成しています。
http://www.kobushi-kikin.com/
本基金へのご寄付は、公益財団法人への寄付として寄付控除の対象となります。
・みなと銀行 北野坂支店 普 1656831 公益財団法人神戸文化支援基金
・郵便振替口座:公益財団法人 神戸文化支援基金 00950-0-322393
他行から振込みの場合は店番 099 当座 0322393
■発行元 ギャラリー島田・アートサポートセンター神戸
〒650-0003 神戸市中央区山本通2-4-24リランズゲートB1F・1F
 TEL&FAX 078-262-8058
発行責任者 島田誠
ホームページ: http://www.gallery-shimada.com
メールアドレス:gallery.shimada@dream.com

Gallery SHIMADA メールマガジン 1030 号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1030号
           風強けれど心洗われる日  
          
1 蝙蝠日記  心の深くに静かに満ちてくるもの 
2 今日の言葉  
自分に敵対する意見を、常に人々に伝え続けることそれが民主主義だ

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蝙蝠日記  ツゥリステスを宿した人
先週は横浜トリエンナーレへ行ってきましたが、今日は気持ちのよい目覚めで
朝から後藤正治さんの「天人 深代惇郎と新聞の時代」(講談社)を読み、本を抱えて
街へ出てギャラリーまわりをしてきました。
「天人」には深代惇郎は人間として稀な品格を持ち文品をもち多くの人々に愛され
忘れえぬ記憶を刻みながらも急性骨髄性白血病のため46才で急逝されました。
深代を惜しむ多くの方の言葉や振る舞いに何度も頁を繰る指が止まりました。
1週間前の1026号にまだ156P(全360P)しか読めていませんけど、深代惇郎という天
から遣わされたような稀有の人材(モーツアルトを思いました)と書きましたが、読み進
むと「深代のなかにもモーツアルトと同じツゥリステスが棲んでいたのかもしれない」と
いう言葉に出会いました(P324)。有名な小林秀雄の「疾走するかなしみ(ツゥリステス)」
を思いだしますが、後藤さんは「深代惇郎は、その内部に、詩的なもの、叙情的なもの、
文学的なもの、あるいはツゥリステスと呼ばれるものを宿した人だった。それが文藻(ぶ
んそう)の源を成していた」と評しています。

一杯、付箋を付けてよみ進みました。余りにも多くのことを学び、考えさせられました。
「知の力というものが、集積した情報や知識によって解を見出すのではなく、問いを問い
として保持することを止めないことによりウェートがあるとするなら、そのことにおいて
深代にもっとも知性的なものを感じるのである」P215

途中でなにか既読感があるなと、立ち止まって考えて、はたと書棚を探しました。島田巽
「ふだん着の英国」です。島田巽は叔父にあたり朝日新聞の論説副主幹まで務めました。
深代さんがロンドン支局長であったころの支局(タイムズ社のビル)があったフリート街
の息吹を伝えるところ(P224)が「ふだん着の英国」にも、タイムズの内外(P72)とし
て出てくるのです。二人の間にはちょうど20年の開きがあります。直接の上下はなかっ
たと思いますが、巽叔父も当然、深代さんを知っていたでしょう。叔父は、ちょうど20
年前に亡くなりました。深代さんの話しを聞いてみたかったですね。
「天人」の読後感は、心の深くに静かに満ちてくるものがあり、それが次第に瞼を濡らし、どこか洗われた思いに浸るのでした。
■■■■
心洗われることをもう一つ
木原法子「2014ありがとう展」 生田神社会館での展覧会に行ってきました。
木原さんは長い画家歴をもたれ、海文堂ギャラリーで二度ほど展覧会をされました。
木原さんの作品についてもゆっくりお話しました。

本展の売り上げの全額を「こぶし基金」へ寄付いただきます。
会館の入り口に大きな立看板があり「売上金の全てを芸術文化活動に寄付
します」として財団のロゴと公益財団法人「神戸文化支援基金」の名前が記されて
います。
30日(木)まで 10:00から17:00 最終日は15:00です。
木原さんも寄付先を「こぶし基金」にされたことを大変、喜ばれておられ、お互い魂を
浄化される気がし、なにより、そのお気持ちがうれしかったです。
近くに行かれたかたは是非、お立ち寄り下さい。
■■■■今日の言葉
「放送の勇気とは、どれだけ少数者の意見を伝えるかにある。もしBBCにそれができない
なら、体制の意気地ない、青白い影法師だと非難されてもしかたないだろう。BBCも体制
の一環だ。しかし、われわれの体制とは、自分に敵対する意見を、常に人々に伝え続けねばならないこと、それが民主主義だと思っている」  話しを聞きながら、これは古典的といえるほど見事な自由主義だと思った。また国営放
送の責任者がこのような信条を、だれに気がねもなくズバリと言ってのける国は、やはり
立派な国だと考えざるを得なかった。
英国国営放送BBCのカーラン社長を招いた食事会で
「天人」の「ロンドンから――言論の自由」1972年4月11日 P226
蝙蝠から
民主主義の彼我の違い、成熟度の違いを感じざるを得ません。1972年から40年以上
たっても、日本の状況はむしろ後退しています。
自由であると思われている神戸でも、著しく後退していることを身をもって感じます。
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Gallery SHIMADA メールマガジン 1029 号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1029号
          天高く馬肥ゆる秋
          
1 蝙蝠日記    なにも書かんことが一番でした
2 展覧会案内  『不協和音』  
         藤飯千尋展  。「Landscape」
3 今日の言葉  愛に生きるものたちよ
あふれる水と共にあれ

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蝙蝠日記  天高く馬肥ゆる秋
「雲浄くして妖星落ち、秋高くして塞馬肥ゆ」(杜審言)
今朝は天高く、空気清浄、気持ちがいいですね。でも上の「妖星落ち」は騎馬民族の匈奴
の来襲を警戒する季節でもあることを示しているそうです。
でも秋の様々な実りはいただきものとして私の豊かとは言えない食卓をも彩るのです。
大分から直径15cmの椎茸  乾燥黒キクラゲ
丹波の黒豆
銀杏
秋刀魚も
多可町産の山田錦で造った新酒「愛を耕すものたちよ」
今日あることを感謝して、一日、良い日でありますように。

皆さん、私のメルマガの発信頻度に驚かれます。天声人語は毎日で、この書き手は大変な
ものです。書くものに困ったらどうするのでしょう。
後藤正治さんの「天人 深代惇郎と新聞の時代」(講談社)に深代さんに先輩が、困った
ら自然や風物に逃げる手もあるが、それよりも歴史に逃げた方がいいとアドヴァイスする
ところがありました。
歴史に逃げるには教養が必要です。さあ、困った。
はたと気がつきました。
私の場合はなにも書かんことが一番でした。
失礼いたしました。                                                                            ■■
展覧会案内
◆藤飯千尋展  。「Landscape」
藤飯さんは回を重ねることに、よく努力を重ね、開花されました。
ギャラリー島田Deuxの今まで誰もやったことがない北面の壁一杯の大作を制作され
それと小品との組み合わせで美しい空間となりました。
広がりを感じさせ、動きと奥行きが出て、様々なニュアンスのブルーとイェローが美し
い諧調をなしています。
作家の言葉とわたしの言葉は下記でお読み下さい。
http://gallery-shimada.com/?p=2287
是非、会場風景を下記でご覧下さい。
http://gallery-shimada.com/blog/
技法的には偶然性を伴うものですが、それを意思的に制御され自身のイメージを必然とす
るまでに習熟したことを讃えたいと思います。
◆市英昭・堀尾貞治  二人展「不協和音」
反発し合っているようで不思議な調和を見せるお二人。舌の回転も実に滑らか。
名古屋からの市英昭さんは今日26日(日)と最終日29日(水)17:00まで
ギャラリーにおられます。楽しいひと時をお過ごし下さい。
なんと作品は1000円からお求めいただけます。
■■今日の言葉
加藤登紀子「愛を耕すものたちよ」
愛を耕すものたちよ
その胸の火を絶やさずに
愛を紡ぐものたちよ
その手の恵み忘れずに
愛に育つものたちよ
その温もりを抱きしめて
愛に生きるものたちよ
あふれる水と共にあれ

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1028 号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1028号
          (続々)横浜トリエンナーレへ行ってきました。
          
1 蝙蝠日記  茫洋たる海が広がるばかり
2 今日の言葉 旅はまだ終わっていないのだ

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蝙蝠日記  一気にゴールへ
横浜トリエンナーレについて書き出したら続々ということになってしまった。
昨日も複数の方から呆れられた。
どれだけ時間をかけているのか、目を悪くする、体を壊すと・・
一杯、溜まっている仕事があるのに。
一気にゴールへ。
◆第9話です
「華氏451」を奏でると題して札幌国際芸術祭が、一日だけ「横トリ」へ出展。
といっても札幌国際芸術祭のゲスト・ディレクターの坂本龍一さんが「華氏451」を
テーマとするコンサートを開催する興味深い企画ですが、すでに終了。
◆第10話「洪水のあと」では“福岡アジア美術トリエンナーレ”では旧知の福岡アジア
美術館の黒田雷児さんのキュレーションで6篇の映像作品。」余りに重くて言葉が出てこ
ない。
「茫漠たる忘却の海」を漂流するというよりは「見てはならぬとされるもの」無意識に
見たくないを避けてきたものを見てしまったと言えばいいだろうか。
2編だけあげておこう。
ヤスミン・コピール作品。巨大な船舶を人力で解体するバングラディッシュの過酷な労働
現場。
ディン・キューレ(ベトナム)のサイゴン陥落によりベトナムから脱出しようとする米軍
ヘリコプターが燃料不足で次々と海に墜落する映像。軍用ヘリコプターがブリキの玩具に
見えて、こんな実写映像が残っていたことに驚きました。
こうした世界の向こうに時空を超えて広がる茫洋たる海が広がるばかり。
                                                                                     ◆第11話「忘却の海に漂う」
新港ピア会場の入り口で迎えてくれるのが青森のねぶた祭の山車燈籠を思わせる色彩
豊かな舞台絵。これが、あの、やなぎみわさんとは!!
聖地巡礼を続ける老婆7人の物語「日輪の翼」の移動舞台車で、台湾で制作され
横浜に漂着したそうな。
そして新港ピアの最深部、海に臨む空間で会うのが大竹伸朗のボート=本。
小さな空間にぎっしりと意味ありげな写真、玩具、本、日用品、雑多なものが
ぎっしり。辛うじて身一つ入るか。ここはアジール(聖なる避難所)。破滅する
世界でただ一つの居場所は忘却海に自らの意思で漂流することしかない。
■■今日の言葉
2014年に横浜に集った作品群も、やがて別れ別れになり、それぞれの海に向かって
漂流していく。
旅はまだ終わっていないのだ。森村泰昌(Official Guide Book)から
http://www.yokohamatriennale.jp/2014/outline/
11月3日までです。
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Gallery SHIMADA メールマガジン 1027号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1027号
          (続)横浜トリエンナーレへ行ってきました。
          
1 蝙蝠日記  壮大な叙事詩のように
2 旅の友   「天人」 深代惇郎と新聞の時代
2 今日の言葉 人間と関係あるものなら、私に関係しないものはない

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蝙蝠日記  覚醒したものとしての生を選び取る
遅く帰宅して、朝、ばたばたと中途半端な横浜トリエンナーレ報告を書いてしまいました。
遊免さん、森下さん、呼び捨てになっていて失礼しました。
名前を挙げた林寿美さんから応答があったのには驚きました。まさか読んでおられると
思わなかったので。その中で「森村さんの強靭な信念・コンセプトと公平な視点が隅々ま
で反映された展覧会」という言葉がありましたが、それがズシンときました。

イヤホン・ガイドは良し悪しですが、ここでは森村さん自身の声で語ってくれるので使わ
れたらいいですよ。
全体の構成は壮大な叙事詩のようになっていて「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の
海がある」とあり叙事詩の編・著者が森村泰昌さんというわけです。選ばれた詩(作品)
にはまた広大な作者の世界が拡がっていて、「旅人はこの忘却の海へと漂流する。それぞ
れの到達点を探し出す」。優れた文学作品がそうであるように、「横トリ」を見た私たち
も現実世界へ戻りながらも、覚醒したものとしての生を選び取ることを促されるのです。

「序章と11の挿話」の序章は、入り口で迎えてくれる巨大な「芸術のためのゴミ箱」(マ
イケル・ランディ)。失敗をポイとゴミ箱へ、そして忘却。
順次たどる時間もないので、どんどん行きますが、
1、沈黙とささやきに耳を傾ける、「沈黙の絵画」のマレーヴィチのしかも白黒の小さ
な素描、その次には有名な「なにも奏でない音楽」ジョン・ケージ<4分33秒)の
なにも書かれていない楽譜。まさにエスプリの効いたイントロダクションでした。
そこから11話まで、必ずしも現代現存作家に関り無く選ばれた意味を豊かに含有した
作品たちは読み解く楽しみがあります。
フェリックス・ゴンザレス=トレスの作品は床に置かれたシンプルでカラフルなオブ
ジェにしか見えませんが、実は印刷された紙が積み上げられているのですが、この作品
(紙)はお持ち帰り自由。私は2作品を巻いて、大切に神戸まで持って帰ってきました。
2、漂流する教室に出会う
「忘却の街」として前号で紹介した大阪・釜ヶ崎で実践されている芸術大学。ここで学び、
書き、描き、演じ、歌う。噓や虚飾が無く、むき出しの自分が投げ出されている。
これこそが芸術だ!!と岡本太郎のように叫んでいる。このKama Geiの学長(?)が
上田假奈代さん。漂流難民の居場所が最も創造的であるという逆説。来年1月11日に
神戸にお招きしています。

「華氏451」はブラッドリのSF小説。本を燃やしつくし世界戦争へ突入し、人類は滅
び去る。中央に階段をあがる祭壇のような設えがあり「世界でたった一冊の本」がある。全ての頁は『忘却』を主題にした多作家の作品が収録され、会期終了後「消滅パフォー マンス」により廃棄され「忘却の海」に消えていく。
ひとりずつ祭壇で祈りを捧げるように頁をくるので、たくさんの人が並んでいて、私
は断念しました。

第4話は「たった独りで世界と格闘する重労働」では福岡道雄の「飛ばねばよかった」と
毛利悠子の会場のほこりを感知して自動楽器が発す音に惹かれた。
本展の森村さんこそが、この言葉を噛み締めているのではないか。
第6話は「おそるべき子どもたちの独り芝居」
ジョセフ・コーネルはBox Artで知られるが最初期の作品と映像作品。
「閑話休題」
今、ギャラリーで開催中の市英昭さんも、たった一人で格闘するBox Artist。
林寿美さんにはデバラ・ソロモン「ジョセフ・コーネル 箱の中のユートピア」(白水社
500P)という大部の翻訳出版に関られた。

第5話は「Still Moving」
部屋へはいるとなにやら法廷のよう。巨人が坐るような赤い椅子が並ぶ。裁判長の席には
大きなハンマーが時折、判決を言い渡すように振り下ろされドスンと響く。私は原告?被告?裏側に回ればテニスコート。いはば安逸な日常。しかしネットはなく相手も見えず、 自分の阿呆面が鏡に映り込むだけ。開けられたテニスボールほどの穴を覗き込めば赤い被告席がみえる。手錠を架けられ気分で隣に移ると監獄の中にいる自分を見る。 ◆
「横トリ」新港ピアのカフェでのこと。
私と林さん、鈴木さんが話しをしている隣のテーブルの二組のカップルの口
から度々「エノチュー(榎忠)さん」という言葉が聞こえました。気がつけばい
なくなっていました。
続きは次回としましょう。今日の私のたった独りで格闘する重労働は終わります。
■■
愛知も横浜も渾身の創造的表現です。私たちは単なる鑑賞者に留まることは許されません。
受け止め、問いかけ、新しく踏み出すことを促されます。
その人の存在の在り方、立ち位置の変更、私達のまなざす力を持つことが、また人に
伝わり、人を促し、舵を変え、社会を動かしていく力となっていくのでしょう。
それこそがアートの力であり役割であり、関る私たちの使命なのだと思います。
集客や経済効果、アメニティーを超えたところにこそ大切な根があり、根は木となり、
林となり、森となり地球を人類を救う可能性があるのです。

「神戸ビエンナーレ」もその原点を押さえての次回であって欲しいと思います。
因みに「神戸ビエンナーレ」の次回のテーマはスキ[su:ki]だそうです。
神戸は無料ゾーンが中心で369000人が参加と公表されていますが有料入場者は
10%ほどの38000人ほどのようです。
報告書(30P)は下記で読めます。
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2014/04/img/2013houkoku.pdf ちなみに愛知トリエンナーレの詳細な報告書(141P)は下記で読めます。
https://aichitriennale.jp/2013/item/260326report.pdf
予算規模も違いますし、単純比較は出来ませんがいろいろ考えさせられます。
■■■■
旅の友は後藤正治さんの「天人 深代惇郎と新聞の時代(講談社)でした。
「天人」はもちろん天声人語のことであるとともに「天が遣わした人」とも読める。
誰もが認め、その才能を愛したことにおいて、ふとモーツアルトを連想した。
深代惇郎は急性骨髄性白血病で亡くなった。46才という若さでした。
そのころを書く後藤さんの筆が、T細胞白血病、悪性リンパ腫で最後を看取った高野卯港さんの姿とも重なり、深代を愛した皆さんの会話に胸を衝かれました。 ■■今日の言葉
ローマ時代の詩人の言葉に「私は人間であり、人間と関係あるものなら、私に関係しない
ものはない」というものがある。深代惇郎についても同じことがいえる。彼は人間の現象
に限りない関心をしめし、計りがたい愛情をいだいて書き続けた。『天声人語』は立派な
文学であり、彼の記念碑である。
ドナルド・キーンが「深代惇郎の天声人語」の帯に寄せた文。
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Gallery SHIMADA メールマガジン 1026 号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1026号
          横浜トリエンナーレへ行ってきました。
          
1 蝙蝠日記  世界の中心には忘却の海がある
2 旅の友   「天人」 深代惇郎と新聞の時代
2 今日の言葉 「芸術」という名の舟に乗り込み
「忘却」という名の大海へと冒険の旅に出る
 
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蝙蝠日記  世界の中心には忘却の海がある
なんとか都合をつけて横浜トリエンナーレへ行ってきました。とても良かったです。
芸術監督、森村泰昌さんの時代の危機意識が隅々までいきわたってその緊張感が
伝わってきて感動しました。11月3日までですがお薦めします。
横浜美術館、新港ピア会場などほとんどが有料ゾーンなのですが賑わっていました。
私も三会場を5時間以上かけて巡ってきたのですが、多様な表現をゆっくりと五感を総
動員しながら楽しみました。
会場で遊免寛子(兵庫県美)、森下明彦(美術研究家)と偶然お会いしました。10年も前
にヴェネチビエンナーレの会場で木下智恵子(インディペンデント・キュレーター)さん
とばったり会ったことなど懐かしく思い出しました。長い会期、広い会場で偶然出会うの
ですからその確率は100万分の一くらいかもしれません。アトリエンナーレで森村さんを
補佐するチーフスタッフの林寿美(インディペンデント・キュレーター)さんとコディネ
ーターの鈴木祐子さんが遅いランチをカフェで食べようとしているとわざわざ来てくだ
さり、感想などを伝え、「加川プロジェクト」の話しなどをしました。このプロジェクト
にお招きする上田假奈代さんの釜ヶ崎芸術大学(西成)に「横トリ」でも大きな場が与え
られ、しかも多くの人を惹きつけていました。私も感動しました。
私たちのプロジェクトも必ず見に来てくださるそうです。(前回もこられたそうです)
今回、神戸にお招きする五十嵐太郎さんが芸術監督された「愛知トリエンナーレ2013」
も「揺れる大地ーわれわれはどこに立っているのか」で、これも優れたものでした。
こうしたビエンナーレ、トリエンナーレは全体として一つの巨大な芸術作品であり、その
ために芸術監督が存在するのです。
まだ、なにも横トリの魅力について語っていませんが、時間がありません。次回に。

神戸新聞によりますと「神戸ビエンナーレ2015」をめぐる公開シンポジウムが10月26
日(日)に東京都美術館講堂で開かれるそうです。都合がつけば聴きに行きたいものです。
様々な検証をされた「神戸ビエンナーレ」の次回をどのようにされるのか、まずは地元神
戸での公開シンポジウムが必要だと思います。
■■■■
旅の友は後藤正治さんの「天人 深代惇郎と新聞の時代(講談社)でした。
まだ156P(全360P)しか読めていません。前作が「清冽」で詩人茨木のりこの肖像でした。読後、また書いてみたいです。
その主題の選び方からも後藤さんの時代への意識がひしひしと伝わってきます。本書も
深代惇郎という天から遣わされたような稀有の人材(モーツアルトを思いました)を通じ
ジャーナリズムの危機を問うもので、いつもよりさらに取材も周到を極めているように感
じます。本書に登場する本田靖春は読売新聞。「我、拗ね者として生涯を閉じず」は、発
売すぐに求めて貪るように読んだものです。
すべては「懐旧」に留まることなく、私たちが問われていることを強く意識します。
深代さんの、本田さんの、後藤さんの、森村さんの意識は、私たちのものでもあるはずで
す。
■■今日の言葉
忘却の海に漂流する
忘却の海へと向かう冒険の旅
ヨコハマトリエンナーレ2014がめざすのは
芸術的冒険の可能性を信じるすべての人々
そして、大胆な世界認識を持ちたいと望む
すべての人々と共に
「芸術」という名の舟に乗り込み
「忘却」という名の大海へと
冒険の旅に出ることである

すべてを見終わった旅人(観客)が、最後に目にするのは、茫漠たる忘却の海である。
それは記憶や情報がおよびもつかない、広大な世界である。旅人はこの忘却の海へと
漂流する。それぞれの到達点を探し出す、それぞれの旅がここから始まる。
語らぬこと、語ってはならぬこと、語りえぬこと。見えぬもの、見てはならぬとされ
るもの。とるに足らぬ出来事、なんの役にも立たぬ行為。
これら記憶世界にカウントされる値打ちもないと判断された無数の記憶されざる
記憶達に目を向ける旅。私達のまなざす力を育む旅。
ヨコハマトリエンナーレ2014 が目指すのは、そんな心の旅物語である。

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1025 号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1025号
            ありえないこと二つ
          
1 蝙蝠日記  これぞクリエイティブ
2 展覧会案内 堀尾貞治・市英昭二人展「不協和音」 今日から
祈りの形 ―京菓子展―        同
3 土曜サロン オープニングトークサロン 「不協和音」 堀尾貞治+市英昭
2 今日の言葉  有斐斎 弘道館とは

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蝙蝠日記  祈りの形
ギャラリーでなんで京菓子?
でもこれぞクリエイティブなのです。
創作菓子「日菓」の活動で注目されている杉山早陽子さんの「御菓子丸」と、
京文化研究・食文化研究の第一人者で世界中でアートとしての菓子や茶会をプロデュース
する太田宗達さんの「御菓子角」。この名前も不思議。空間も不思議。
明日は「悔過茶会」(けかちゃかい)という茶会もあります。
茶会の亭主の太田宗達(「老松」主人)。太田さんは、これまでも、茶室のない孤島や、本
来茶席には使われない国宝級の建物や、野点とは言えない冬の雪が降る場で、だとか。 海
外でも、美術館、美術展で海外の芸術品を使ったまさに試みの茶会を数多くこなしている
一風風変わりな趣向に挑戦し続けている人です。
不思議な掛け軸、不思議なお菓子。すべて世界の宗教であったり民俗に秘められた祈りで
あったり。
会場風景と飾り付けを終えられたお二人の姿を下記でご覧下さい。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5076
■■■
展覧会案内 堀尾貞治・市英昭二人展「不協和音」
今、メルマガを発信しようとしているのですが、なんと展示作業はまだ始まっていません。
現在時刻 初日の9:30.展示作業が10:00から。オープンが12:00から。
こんな展覧会も始めてのことです。
このプロセスもまた作家の表現であるのです。
さて、どのようになつのか、私もこれが終わればギャラリーへ向かいます。
■土曜サロン
10/18(土) 17:00 [無料、予約不要]
オープニングトークサロン 「不協和音」 堀尾貞治+市英昭
聞き逃せない面白いことになりそうです。
http://gallery-shimada.com/?p=2276
■■今日の言葉
このところ連携を深めている有斐斎弘道館について
歴史上の弘道館(こうどうかん)は、江戸中期の京都を代表する儒者・皆川淇園(みなが
わきえん/1734-1807)が1806年に創設した学問所で、私立大学の先駆とされています。
淇園は「開物学」という独自で難解な学問を創始しましたが、詩文や書画にも優れた風流
人で、山水画は円山応挙に劣らずと評されたほどでした。門弟3千人とも言われ、多くの
文化人と親交を結び、また亀山藩や膳所藩など、地方に賓師として招かれました。弘道館
は、この址地辺に建てられた石碑(註)にちなみ、名付けました。また、有斐斎(ゆうひさ
い)は、淇園の号のひとつです。
弘道館は、日本の伝統にこめられた深い知恵と類い稀なる美への精神性を、意識的にくみあげ
ることによって、未来の京都、未来の日本にとって必要な、新しい知恵をつむぎだすための高度
育成機関となるべく、多くの方々のご協力を得ながら、活動をいたしています。(HPから)
蝙蝠から
勿論、縁があっての交流なのですが、その精神に深く学ぶところがあっての新しい試み
なのです。
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Gallery SHIMADA メールマガジン 1025号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1025号
          ギャラリーでお菓子?   
          
1 蝙蝠日記  いと可笑し
2 容子日記  京菓子に込められた「祈り」に、現代に生きるヒントを探ります。
3 展覧会案内 堀尾貞治・市英昭二人展「不協和音」
3 土曜サロン 不協和音
2 今日の言葉  

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蝙蝠日記  ギャラリーでお菓子とはいと可笑し 
冗談を言っている時ではないのですが、ギャラリーでのお菓子展です。
もともと美術を本業とするギャラリーでありながら様々な異文化をどんどん
紹介していますので変種扱いされてきました。
慈照寺のお花とのコラボレーション、日本の古典シリーズも今年は「能あそび」
のシリーズが好評です。
恥ずかしいことですが私は今まですべてが西洋に向いてきましたから、今、ようやく日本の伝統文化を学びはじめているところです。 こうしたこと、全てがご縁の導くままなのですが、有斐斎 弘道館(京都)との
コラボレーションで本格的なものです。
◆◆容子日記
「祈りの菓子 ―京菓子展―」
ギャラリー島田初の「お菓子」の展覧会を企画いたしました。
10月18日(土)〜23日(木)
創作菓子「日菓」の活動で注目されている杉山早陽子さんの「御菓子丸」と、
京文化研究・食文化研究の第一人者で世界中でアートとしての菓子や茶会を
プロデュースする太田宗達さんの「御菓子角」の二人展です。
テーマは「祈り」。京菓子の多様な文化的役割を考え、京菓子に込められた
「祈り」に、現代に生きるヒントを探ります。
ギャラリー空間を信仰の場と捉えたアートとしての茶会も企画していただきました。
http://gallery-shimada.com/?p=2283
◆「悔過茶会」(けかちゃかい)
・10/19(日)
(1)13:00〜14:00(満席御礼!)
(2)15:00〜16:00(残席ございます。ご予約お急ぎください。)
・参加費 2000円
・各回限定 10名(要予約)
◆生菓子の販売
・10/18(土)、10/19(日)のみ
・御菓子角と御菓子丸の生菓子、各1個の2個セット 800円
・各日限定10箱
ぜひお越し下さいませ!
企画協力:有斐斎 弘道館
http://kodo-kan.com/
■■■
展覧会案内 堀尾貞治・市英昭二人展「不協和音」
世界を飛び回り、世界一の展覧会暦をもつ、ひっぱりだこの堀尾さん。ほとんど発表してこなかった市英昭さんが轟かす不協和音・・・・ 市英昭さんの言葉です
妙な縁で二人展の誘いが舞い込み僕らは驚いた。面識のない岩波書店編集者の森光実さんが仕掛け人だそうで、僕は飛びついた。
堀尾さんと知り合ったのは1980年で彼が職務で名古屋に滞在していた時期である。知り合って間もなく彼は神戸に戻り愛知県とは地理的に離れていながら交友関係に発展したのは不思議な縁だが、馬が合ったこと、打てば響く人だからだろう。 離れていたからこそ堀尾色に感化されすぎず染まらなくて済んだ。そんな関係で不協和音ながら一味違う二人展になるだろう。
僕は永年もの作りを熱心にやっているが、ろくに発表していなく他者の評価は判らないが客観視する機会でもある。
■土曜サロン(予告)
10/18(土) 17:00〜 [無料、予約不要]
オープニングトークサロン 「不協和音」 堀尾貞治+市英昭
聞き逃せない面白いことになりそうです。
http://gallery-shimada.com/?p=2276
■■今日の言葉
「テロリストは(銃撃で)私の目的や希望を打ち砕こうとしたが、私を変えることはでき
ませんでした。反対に弱さや恐怖、絶望は消え、力強さ、情熱、勇気が生まれたのです」
「私は過激派を憎んではいない。過激派の子どもたちを含むすべての子どもに教育の機会を与えてほしいと伝えるためにやって来た」
1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。エデュケーション・ファースト(教育を第一に)。ありがとうございました。 マララ・ユサフザイ(Malala Yousafzai)2013年7月12日国連演説より
http://www.huffingtonpost.jp/2013/07/12/malala_speech_n_3588163.html 蝙蝠から
以前、紹介したマララさんの言葉です。全文を読むことができます。
今年のノーベル平和賞を受賞されました。

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Gallery SHIMADA メールマガジン 1024 号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1024号
            能あそび 
          
1 蝙蝠日記  今日です
2 「二月のテーブル」 ありがとうございました
3 うれしいニュース  「記憶のナギさにて」
2 今日の言葉  作品はその人の精神に等しくあるものだと思う

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蝙蝠日記   秋の古典シリーズ「能あそび」 第2回 神・男・女・狂・鬼 という能の代表的な役柄を紹介しながら、神戸が舞台となっている演目を謡い、舞い、 じっくり楽しむ4回シリーズです。
残席僅か ご予約下さい(電話可)
日時:2014年10月9日(木) 19:00~20:30(開場 18:30)
会費:2,000円(ASK会員:1,500円)
神・男・女・狂・鬼 という能の代表的な役柄を紹介しながら、神戸が舞台となっている
演目を謡い、舞い、じっくり楽しむ4回シリーズです。
今回は「男」です。
http://gallery-shimada.com/blog/?p=5052
前回の「神」のサロンの様子を下記でご覧下さい。
http://gallery-shimada.com/salon/?p=178
◆◆
「二月のテーブル」の音源をお持ちのかたはいらっしゃいませんか。
とお尋ねしました。すぐにご連絡いただきました。
残念ながら私の指揮は50年前のコンクールでの演奏で、それではないのですが
後に六甲男声合唱団が再演したものだそうです。ありがとうございました。
◆◆◆◆
白石一文さんの新聞連載小説「記憶の渚にて」が10月15日から神戸新聞で始まること
になりました。挿絵画が井上よう子さん。東京新聞、中日新聞、西日本新聞での掲載は
決まっていたのですが、神戸で読めることは本当にうれしいです。白石さんには色々と
お付き合いさせていただき、愛読させていただいています。井上さんとの縁もギャラリー
島田でもありました。皆さん、是非、お読み下さいね。
■土曜サロン(予告)
10/18(土) 17:00~ [無料、予約不要]
オープニングトークサロン 「不協和音」 堀尾貞治+市英昭
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■■今日の言葉
堀尾貞治の言葉
やれんということはない、
やる気が無いからやらんので自分がこうしたいと思ったことをやってあたりまえ
作品というものが嘘なら自分も嘘で作品はその人の精神に等しくあるものだと思う
どこを切っても金は金。木は木、砂は砂、石は石である生き方/一つの考えが出来た
らそれに向かってやっていくと、考えを超えたことが超ってくる。 
                            2007年2月9日 

Gallery SHIMADA メールマガジン 1023号

□■□2014年10月
Gallery SHIMADA & Art Support Center KOBE
  Info―1023号
           ひときは美しい今朝の空へ
          
1 蝙蝠日記   増田寿志展に思う
うれしいメールが届きました 
2 今日の言葉  どうか愛を  やさしい愛を  海のように豊かな愛を

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蝙蝠日記  増田寿志展に思う
もう明日9日16:00までになってしまいましたが増田寿志展をDEUXで開催中です。
愛らしい小鳥やリスや白鳥やふくろうの子どもなどの美しくも愛らしい姿が白黒の
モノトーンで描かれています。毎日、毎日眺めていると素晴らしく丁寧に描かれている
以上の対象への愛、命の姿まで描かれていることに惹かれるようになりました。
ご夫妻で札幌から神戸に滞在されてギャラリーに詰められているのですが、その佇まいが
うちのギャラリーの空気感を全身で受け止めておられるようで、色々なお話をさせていた
だきました。そして増田さんが秘めている可能性と在り方にまで話が及びました。
なぜお二人はギャラリー島田を目指したのか。それは札幌の彼等が親しくされているお店
に石井一男さんの絵が2点かかっていて、後藤正治「奇蹟の画家」、「情熱大陸」のTV
で石井さんに出会い、そこから私の「絵に生きる 絵を生きる」を読み込まれたのです。
鴨居玲さんをはじめ、多くの作家さんについて話しました。
増田さんの仕事はちょっと見ると図鑑的に見えることは度々書きましたが、わたしは素
晴らしい可能性を秘めた作家であることを確信しています。必ず、これから拡がり深ま
る仕事が出来る作家です。残り会期が二日となってしまいました。お運びいただき作品
をじっくりご覧いただき作家夫妻とお出会いください。

長い話をして帰宅したらうれしいメールが届いていました。
◆◆◆◆◆中村茂隆(作曲家)先生からでした
島田 誠 様
お元気ですか。
昨日、神戸大学の食堂で神戸大学グリークラブ17回生の同窓会に招待されました。
招待された理由は、彼らが入学して最初にうたった曲が「二月のテーブル」であり、
コンクールでフェスティバルホールのステージに立って歌い、関西大学グリークラブ
を抜いて2位だったことの印象が強烈だったということを、スピーチで口々に言って
いました。
指揮者の島田さんの熱っぽさに圧倒されたこと、
貴君が書いた文章(以倉さんの奥さんが亡くなった娘さんの思い出に石井さんの絵を
買ってくれた話)の抜粋がプリントして全員に配られ、私もそのことがきっかけで、
以倉さんとのお付き合いが再開したことを話し、「二月のテーブル」を中心に盛り上
がりました。
この作品が再び演奏されるように六甲男声などに働きかけたいという話も出ました。
「燃え上がれやさしい海よ」は2012に東京六甲男声が「未婚」とともに再演して
くれましたが、「二月のテーブル」はかなり難しいようで敬遠されていますね。
私自身も大好きな曲なので残念です。そして、私も貴君が指揮してくれたコンクール
での演奏(みんな泣きながら歌っていた)が強烈な印象にのこっています。
貴君の手元にも音源はない由、私も「燃え上がれ・・」は再演のテープがカセットで
あるのですが、「二月のテーブル」はないのです。オープンリールの時代だったのかも
しれません。
とにかく、島田さん、島田さんと、まるで英雄のようなあつかいでしたよ。
一年生だった彼らには、四年生は見上げるような大人に見えたそうです。
取り急ぎ、ご報告申し上げます。
◆◆
50年前のことです。かれらがそこまで当時のことを鮮明に記憶に刻みこんでいるとは。
あの時の演奏は集中しきっていたことは覚えていてこれ以上はないものでしたが
(みんな泣きながら歌っていた)のか。
ここにも石井一男さんが出てきます。
ここに書かれている以倉さんのエピソードは私の「絵に生きる 絵を生きる」の
p232−234に詳しく書いています。(ギャラリーでお読みいただけます)
敬愛する中村茂隆先生については
http://www.shige-chant.jp/
全てのことがこうして繋がっていくことの不思議に撃たれずにおれません。
ひとときひとときを誠実に積み上げることなのですね。
今朝の美しい空をいまあることへの感謝を捧げながら見上げていました。
◆◆
お尋ねします
「二月のテーブル」の音源をお持ちのかたはいらっしゃいませんか。
◆◆
石井一男さんは10月5日に71才になられ「こぶし基金」に多額のご寄付をいただきま
した。ありがとうございました。
■土曜サロン(予告)
10/18(土) 17:00~ [無料、予約不要]
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■■今日の言葉
窓ぎわの小鳥たちは  声をふるわせ  
買物かごの野菜は  うなだれて緑をなくした
貧しいテーブルのように 与えることを忘れた
海の上を  しめやかな調べが流れて
葬列が晴れ上がった  空を渡った
やがて冷えたコーヒーのように  朝の雨がこの窓ベを洗い
どしゃぶりの雨に とじこめられて
二月が  貧しさの歌を  歌うだろう
どうか愛を  やさしい愛を  海のように豊かな愛を 
このテーブルに この街に
この大地にと

「・・・海は何かを産もうと身もだえるけれど、本来の海の死はおおいがたい。
弔いの鐘のひびきが港町に流れ、人間の危機、警鐘が、雨の降る港町にひびきわたる・・・」(以倉紘平)

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