人生に於ける最後の跳躍に入っている。

学生時代を助走とすれば会社勤め(Hop)、海文堂(Step)、ギャラリー島田(Jump)。今は着地(Finish)姿勢に入っているようだ。そしてなぜか、それぞれの段階がまた三段跳びなのが不思議だ。

いずれにしてもプロではない。だから大志がない。それがために「託される」ことを生きているのかもしれない。

チーム・アネモネ

上村亮太さんとは27年前の六甲アイランド・野外彫刻展で出会い、震災の2年後の「兵庫アートウィーク・イン東京」に登場していただき、森美術館のオープニング「六本木クロッシング展(第1回)」で注目してきた。毎年の個展も独創的な内容で、理解に苦しむこともあり、聞いても「なになのでしょうね」と笑顔で言うばかり。8年前の個展に9冊の美しい絵本というよりもアートブックを展示された。ストーリーから製本に至るまで素晴らしく、それを自由にみていただくことになった。深いメッセージに惹かれ、とりわけ『アネモネ戦争』はまさに今の時代にこそ出さなければと悶々としていた。

1年前の12月の仕事納めの日に、編集者の松田素子さんが尋ねてこられ初対面のご挨拶をした。宮沢賢治、まど・みちおをはじめ150冊の素晴らしい本を世に出した方で北野に越して来られたばかりでした。松田さんも何かの縁を感じて尋ねて来られたのでしょうが、私はこの方こそ神が遣わせた使者だと思えたのでした。このプロジェクトは上村亮太の深く強い思いと松田素子の出会いが形を成し、それをチームがリードし、サポーターが支えるという奇蹟のプロジェクトだ。

私はといえば、そうしたプロジェクトの形を伝え、あとは全てをチームに任せ資金をはじめとする責任を引き受けることだけを伝えた。

この『アネモネ戦争』出版プロジェクトはまことに不思議です。「チーム・アネモネ」のHP(https://www.team-anemone.com/)を見ると物語りの全文が読めて、絵もラフで見ることができる。

―とてもよく晴れた、ある朝のことです。  晴れて、遠くのほうまで見える朝、  だれかを呼んでいる人がいました。

いなくなった人たちに、はなれていった人たちに  なにかを、呼びかけているのでしょうか・・・・

 

「ここにいるよ」「答えて」「声を出して」と

 

私たちが行っていることすべてが「送り手」「受け手」に留まらず、そこで何かが起こることを大切にしています。このプロジェクトがこのような形で実現することは、とても嬉しい。

出版記念の上村亮太展をこころまちにしている。

なお、当初は事務局を担っていただいているBL出版さんから刊行していただく予定でしたが、この限定版は島田からというプロジェクト・チームの結論で迫られ、ギャラリー島田でもアートサポートセンター神戸でもなく「蝙蝠舎」から出版ということになりました。