全てを受け入れてあるがままに。今、多くの困難なことを抱えていますが、不思議な導きを感じずにおれない。
あすの命を惜しむものではない。道元の禅の神髄は身心脱落・只菅打坐だそうだ。ひたすらただやる。
振り返れば波乱万丈、艱難辛苦でもある。今も、またしかり。ただ身を尽くすだけ。

ギャラリーとして
モニュメント制作プロジェクトの竣工が6月初旬に迫ってきた。次号で報告します。
まだ孵化しないいくつかのプロジェクトの卵も抱いている。
6月22日から個展が始まる上村亮太さんの出版プロジェクトに取り組んでいる。今回、「アート あちこちまち」に寄稿いただいた松田素子さんとの出会いによるもので、長く、温めてきて、私のいつもの妄想みたいに「何処にもない」取り組みで実現できればうれしい。
展覧会を通じて作品を販売する場としてのギャラリーの役割はとても厳しい、あるとすれば何かが生まれ、生き生きとした自由な、溌溂とした何かが感じられる場であること。作家にとっても、私たちにとっても生きている喜び“la joie de vivre”を共感できることだろうか。
全国津々浦々までアートが咲き誇っているように見える。されど哀しい。何か共通マニュアルに従っての広報・デザイン・編集に感じる。評価の基準も集客、経済効果など。イベント並みの薄っぺらさを感じます。

アーカイブについて
前号の「縁側にて」で池上裕子さんが触れられていたギャラリー島田のアーカイブをさっそく掘り起こす調査があった。震災で亡くなられた津高和一さんの没後10年を期に大作作品21点がブラジルから返還された。その窓口がギャラリー島田で、修復などを経て兵庫県下の公立美術館へ寄贈。販売した収益をブラジル(サンパウロ)側に送るとともに、津高和一の「僕の呪文と抽象絵画」(神戸新聞総合出版センター2006年刊)の出版に関わった。それらの全記録が手元にあり、なるほどこれが アーカイブかと思った。

40周年記念展の一つとして昨年5月にギャラリー島田全館で「さんかくとてん」すなわち「▲と、」を開催。川嶋守彦、元永紅子、中辻悦子のお三方と「、」は元永定正先生。そのdocumentが刊行された。豊富な写真に加えて寄稿も充実していて巻頭の河崎晃一さんの「さんかくとてん ー アーティスト家族の試み」 はこの展覧会の内容と意味を余すことなく伝えていて心打たれる。この寄稿が 2019年1月8日。ご逝去が2月11日。遊免寛子さん(兵庫県美)、大槻晃美さん(芦屋市美)、竹内利夫さん(徳島県美)の執筆も素晴らしい。全て英文併記。なにより気品があり美しい。*¹

同じ、昨年6月の「榎 忠」展では記録として4冊のブックレット。9月の「住谷重光展」でも記録画集を作成。烏頭尾寧朗は画集出版記念展。三沢かずこはギャラリー島田が作品集刊行。花井正子の記録画集「虚  キョ」(2017年)も記憶に残る美しいものだった。*²
私たちと繋がる皆さんが(個別に名前を上げませんが)、それぞれにここでの個展を質の高い記録として自ら形にして下さる。
そうしたことがまた不思議な共同体としてのスタッフの心を動かしている。

*¹「▲と、」document(¥1000)、ギャラリー島田で販売中です。
*²ギャラリー島田が関わる出版物の多くをHPに掲載しております。HPのTOP、バナー右端の「出版物」をご覧ください。