「時間を追い越すように・・・」

「1・17」「9・11」「3・11」は忘れることの出来ない数字だけど、うれしいにつけ、悲しいにつけ、人それぞれにメモリアルの日はある。生と死は親しい隣人である。私の年令になると近しい人との別れは日常のごとくあるといってもいいほどだ。 それにしても、「3・11」からの日々が起こした心のざわめきは哀切と虚脱が綯(な)い交ぜに交錯し、奔流のような思いが時間を追い越すように溢れ出し、昂ぶった神経の疲労が筋肉に浸み込んで取れない。書いている途中に季村敏夫さんから電話が入った。宮城から帰って、魂の深奥から揺さぶられ、睡眠も断続的だと語った。そして悲しみの只中にある人々がいかに崇高であるかとも。
自分自身の憂いはなにもなく、自分がやるべきことが一直線に見える明確な意識と、その緊張に悲鳴をあげる名状し難い意識下の世界とのせめぎあいに身体が悲鳴をあげている。これでは持たないと、硬直した体を宥めようと、朝5時には昇る朝日を遠く大阪に望み、肌に柔らかい風を感じながらゆっくりとヨガの深い呼吸を繰り返す。

昨年末からギヤラリーを改装し、新たな気持ちで、一つ一つ丁寧に取り組もうとしている。多くの新しい作家さんにも登場いただき、それぞれが「場」に挑むという、力のこもった展覧会が続いている。
二年がかりで書いてきた画家列伝も、いよいよゴールが見えてきた。伊原秀夫さんの「風来舎」から8月末には刊行すべく、最後の追い込みである。そこへ持ってきて、4月1日に 公益財団法人「神戸文化支援基金」が認可を受けて船出した。全国でも初めての市民メセナによる公益財団法人である。同封した7月7日(木)の「志縁」パーティーの準備。「アーツエイド東北」も仙台を拠点として準備が進んでいる。それらが怒涛のように押し寄せてきている。
そうした総てが、なにか大いなる意思に導かれているようで制御することが出来ない。その疲労感を倍化させているのが、どうしようもない、政治の混迷、原発が明らかにした科学技術信仰やジャナリズムーの虚実。
それらを黙認あるいは加担してきたわたしたち市民。そうしたことへの苛立ちが神経を磨耗させ続けている。

「アートエイド東北」の発会について

4月18~20日に仙台入りして、文化関係の皆様とお話をしてきました。それは、阪神大震災を経験した者としての考え方をお話しただけで、いわば小さな種を蒔いたのです。それが2ヶ月の間に、見事に芽を出し、しかも大木として育つ予感がするほど見事な取り組みです。うれしいの一言に尽きます。この通信が届くころ、6月22日(水)に仙台メディアテークで発起人会が公開トークを開催されます。私は前日に仙台入りし、この会の前半のみ参加し、神戸大学での講義のために空路、伊丹に戻ります。ほんとうにうれしいです。

「志縁パーティへのお誘い」

純な志が繋がった公益財団法人が誕生しました。
亀井純子さんの遺贈に端を発した「文化支援」の種が、多くの皆様のご協力で、多くの意欲的な活動を支え、さらに大きな基金として成長し、芸術文化活動の助成に特化した基金としては全国で初の公益財団法人として認可されました。
志縁=SHIEN=支援と思いを重ねながら、皆さんと共にお祝いの時を持ちましょう。
亀井純子さん、西川千鶴子さん、そして島田悦子をはじめ多くの亡くなられた方からもご寄付を頂きました。そうした方々とお出会いをする気持ちを込めて七夕の日を選びました。北野ガーデンの全面的なご協力で、素晴らしいお庭、美味しいお料理、おもてなしは若いジャズメンたちが演奏いたします。
今、準備が進んでいる「アーツエイド東北」からゲストとしてお招きし、ご報告、ご挨拶をしていただく予定です。是非、お誘いあわせのうえ、お楽しみ下さい。

●「志縁 SHIEN パーティ」
● 7月7日(木) 18:00 開場 18:30 開宴  会費¥5000
● チケット販売&ご予約は ギャラリー島田まで