中辻さんはシンプルな「人の形」「色の形」を平面に提示することによって、日常の無意識の中に潜む、人と人との関係性、そこにeyes(眼)が加わることによって、見るものと見られるものの関係性を「合図」として表現しているように見える。 「私の作品には、ひとがたではあっても、人形という特定の性格をもつものではない。底なしの沼のような世界に、はまりたくないんです。見つめるということは、見返されるということですね。むしろこちらが見られている。見る、見られるの関係のなかに、新しい世界、新しい感覚が生れる気がする。目は心の窓、とも言いますしね」中辻さんの言葉である。中辻さんの「ひとがた」は、それ自身、情念を持たない。「目」は、それ自身、眼差しを持たない。その魅力的でユーモラスな形との関係性を創っていくのは私たち自身に委ねられているのだ。 中辻さんは、海文堂ギャラリーでの「元永定正展」あるいは松方ホールでの「元永定正舞台空間美術展」の実行委員会などで、親しくお付き合いさせていただき、そのお人柄に魅せられてきた。そして、近年の充実した仕事にも触れ、ギャラリー島田のオープン企画として是非にとお願いした。なんと、神戸での展覧会は初めてだとのこと。 ちょうど、お誕生日にあたる2月12日にスタートとし、グランプリのお祝いや、お誕生のお祝いを兼ね「神戸塾。火曜サロン・特別例会」として「私の仕事」のお話もお願いした。

■ 略歴
1937 大阪生まれ
0000 アメリカ滞在

■ 個展
1963 東京画廊(東京)
1968 今橋画廊(大阪)
1971 ガレリア・グラフィカ(東京)
1972 「版画」/みやざき画廊(大阪)
1974 今橋画廊(大阪)
1977 今橋画廊(大阪)
1979 桜画廊(名古屋)
1980 ギャラリー白(大阪)
1982 中村画廊(大阪)、マロニエ(京都)
1987 山木美術(大阪)
1990 “RUNNING WORKS 3×6″/信濃橋画廊(大阪)
1992 「版画展」/番画廊(大阪)
“RUNNING WORKS 3×6″/信濃橋画廊(大阪)
1994 (合図-eyes-百面箱)/信濃橋画廊(大阪)
1997 中辻悦子展(ギャラリー新居東京店)
1999 中辻悦子展(ギャラリー新居東京店)
2000 中辻悦子展(高島屋/大阪)
2001 中辻悦子展 ギャラリー島田
■ その他主要展覧会
1978 エリックサティ人形のためのミニオペラ
“ジュヌヴィエーブ・ドゥ・ブラバン伯爵夫人”
人形制作、舞台美術/渋谷ジャンジャン(東京)
1989 幻の山村コレクション展/兵庫県立近代美術館
1992 子供のみた現代美術/芦屋市美術博物館
現代美術のニューウェーブ/兵庫県立近代美術館
1993 中辻悦子・元永定正展/桜画廊(名古屋)
1995 出光真子・中辻悦子展/
佐賀町エキジビットスペース(東京)
1996 戦後美術の断面ー兵庫県立近代美術館所蔵、
山村コレクションからー/千葉市美術館
1997 あるコレクターが見た[現代美術]
-山村コレクション展/兵庫県立近代美術館

昨年には、作家自身5冊目となる絵本「よるのようちえん」でプラチスラヴァ国際絵本画展(スロヴァキア)のグランプリを受賞している。

最近のギャラリー島田での個展記録
2005年10月8日(土)~10月17日(月) 中辻悦子展”合図-eyesシリーズ”
2008年5月31日(土)~6月11日(水) 中辻悦子展-顔絵-